研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 074/092page
(7) 材料表(自動スイッチ分のみ)
品名 規格等 数量はんだごて台 ベニヤ
5×180×280 1さん ラワン
8×15×180 2陸式ターミナル 12m/m 2ヒューズ 125V−1A箱形 1スイッチ 2P 1コンセント 125V−15A 1接点A 燐青銅板
0.3×10×80. 5 1〃B 燐青銅板
0.3×10×57.5 1〃C しんちゅうねじ
M5,長さ26. 3 1はんだごてのせ金具D 燐青銅板
0.3×10×89.5 1ビスねじ M3,長さ8 8ダイオード 250V,1A 1L金具 20×30 1
表−6
(8) 過熱の防止
ダイオードの整流作用を利用して,電力を半減し,はんだごての過熱を防止しようとしたものである。単相電力計(ワットメーター)で測定すれば,電力が半分になっていることがわかる。
しかし,各中学校においては,その計器が備えつけられていないのが大部分であると思われる。したがって,実際の指導に当っては,40〜60Wの電球を用いて,その明るさを比較させるのも,一つの方法である。また,照度計を使って,数量的にとらえる方法もあるだろう。
さらに,ビーカーに一定量の水を入れ,所定のニクロム線(40〜60W)を使って,一定時間ごとの水温上昇を温度計で読み取り,記録し,その数値を比較検討させるのも,一方法だろう。いずれにせよ,各校の実態に則して,その検証方法を選択し,くふうすればよいことになる。
4.おわりに
ダイオードを用いた二つの装置を製作したが,前者は,整流回路の中心をなすダイオードを,12,4個,それぞれ使用した場合の整流波形を観察させ,さらに,容量の異なるコンデンサ3個を別々に用いた場合,整流作用の関連で平滑波形が,どう変化するかを観察させようとしたものである。
生徒にとって,比較的難解な電気学習でも,視覚を通して,その概念形成へと導くならば,学習成果に極めて有意なものがあると思われる。この装置は,教材内容と生徒の学習活動を結びつける,一種の教具ということができよう。したがって,教材のもつ,単純と複雑,具体と抽象,現象と本質など,それぞれの関連と場面で活用が可能なら,本教材の理解及び思考の拡大と深化を促す契機にもなるだろう。
後者においては,ダイオードを製作用具の改造と発展とのかかわりで利用し,本教科の大きな目標である「生活に必要な技術の習得」に,微少なりとも機能することを期待した。さらに,本領域に対する興味・関心の高さを学習意欲へ転化させ創造的,実践的な能力態度の育成に,その一助としてかかわるなら,望外のよろこびがである。
参考図書・文献 中学校技術・家庭科研究の手引き 文部省 電気理論の基礎学習 佐藤裕二 技術・家庭科教育選書 ダイオード・トランジスタ 代表 鈴木寿雄 新しい技術・家庭科の指導 総論編 電気編 技術・家庭科研究会編