研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 087/092page
うに援助してやること。
内容的にはいろいろなものを扱えるが,1年分の計画は概略だけにして,毎月,生徒たちの要望,意見を十分反映させた活動計画をたてること。
(6)生徒たちが,それぞれ個性を発揮し,協力し合う活動にするためには,クラブの生徒の中から,いかにしてリーダーを育てていくかが大きな課題であること。
2.活動内容についてのくふう
(1) 生徒の要求
クラブ活動に満足していない生徒が高等学校にはかなりいる。(満足−中学校49%,高校18%,不満足−中学校26%,高校44%)その理由として見のがせないのは「クラブ活動が自分の考えていたこととちがっていた」(中−50%,高−71%)である。
そこでクラブの最初の1,2時間は生徒の希望を聞く時間としてぜひとりたいものである。希望や要求を知らない限り,生徒の興味にそった活動が展開される余地はないといえる。
(2) 多彩な活動へのくふう
不満足の理由の第1位が「やることが単調だったから」−(中−45%,高−54%)である。そこには授業と違った英語の新鮮な諸様相にふれたい生徒の希望が表われている。
これは,ある意味では教師から生徒へ一方的に流れていく授業のような型を拒否しているのだともとれる。そこでクラブ構成メンバーの創意と教師の識見を生かして,いかにして変化に富んだ魅力ある活動内容にするかのくふうが望まれるわけである。
@ たとえば「海外文通」にしても,単に教師の説明プリント等によって手紙を書くのではなく,生徒たちの手によって郵便友の会に申込み,ペンパルを紹介してもらうとか,手紙の内容としてどのようなことを書いたらよいのかをしらべさせることが大切である。
A 「英語の歌」については,いつも教師が選択,準備するのではなく,生徒たちの手で選曲し,録音し,歌詞のプリントを作ることに「クラブ活動」の時間を使って活動させることが必要である。
B 「英語劇」というと,指導のための時間,教師の準備や生徒の意欲に左右され「本校の生徒の実態から無理だ」と考えがちであるが,まず簡単な「劇的活動」(dramatic play)を英語クラブの中でできないものであろうか。
英語を聞いて動作で答えさせたり,やさしい英語の問答や対話をさせることも,さらに人の気持や実感をこめて話すことなどは,たのしい活動になるのではないだろうか。
英語クラブでは,友人の話を聞いたり,参考図書を読んで自分で考え,理解したり,練習する活動をもっととり入れたいものである。好ましい人間関係を育てるように配慮しながら,教師の創意と教育的識見を生かして,いきいきとした,活発なクラブ活動がなされることを期待したい。
◆参考資料◆ ・中学校学習指導要領(1969) 文部省 ・高等学校学習指導要領(1970) 〃 ・クラブ活動に関する調査研究U(1975) 千葉県教育センター ・現代英語教育講座10(1966) 研究社 ・講座英語教授法12(1970) 〃 ・高校教科外教育活動4(1975) 明治図書