研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 086/092page
−高等学校−
ア.いいふんい気だと思う 28% イ.とくにいいふんい気だと思わない 51 ウ.あまりよくない 21
中学校では,女生徒の方が男生徒に比して上級生に自由に意見が言えないとする生徒が,ほぼ半数(45%)あることは興味深い。「とくにいいふんい気だと、思わない」「あまりよくない」とする生徒がある地区に目立ったのは上級生に自由に意見が言えない地域性であろうか。
全体的には,中学校と高等学校は,ほぼ同じ回答傾向であるが,「いいふんい気だと思う」は中学校38%と約10%高かった。C あなたのクラブのまとまりはどうですか
中学校 高校
ア.たいへんまとまっている イ.まとまっている ウ.すこしまとまりがない エ.まとまっていない
11% 37 37 15
7% 31 44 18Bの1位が「とくにいいふんい気だとは思わない」であり,Cの1位が「すこしまとまりがない」であるというのは考えさせられる。しかし,それぞれの項目の数字も決定的という訳ではなく,例えば「まとまっている」と答えているものも中学校37%,高等学校31%はいるのである。全体の結論として次のように言えるのではないだろうか。現状では,マイナス面,不満足面がやや強いが,そのあとにプラスの要素もすぐ続いている。ということは,かなり流動的だということである。生徒自身は,何をクラブに期待してよいかわからないといったところもあろう。もう少しの教師の指導とエネルギーがクラブに注がれるならば,かなり希望のもてる見通しだといえるのではないだろうか。
V.まとめ
英語クラブの指導に対しても熱心な教師は多いが,全体的にみると,クラブ活動の指導を副次的と考え,あまり重視していないのではないかといわれている。英語クラブの顧問教師が自分の担当教科へのとり組みと同様にもっと積極的な態度でとり組みその指導力の向上につとめなければならないにもかかわらず,この分野の実践的な指導に関連した資料は皆無に等しい現状である。 この報告書では,本県の実態の一部を紹介するとともに,これを機会に生徒達の望んでいる英語クラブの姿をとおして今後の活動に少しでも参考になれば幸いである。
1.英語クラブの運営について
調査の過程をとおして,いくつかの改善へのヒントが出てきているが,運営に当って顧問教師の心がまえとして次のようなことがあげられると思う。
(1)クラブを希望する生徒が必ずしも英語力に秀れていないこと。
(2)学年のわくがはずされていることから,生徒の学習した知識・英語力に非常に差のあること。
(3)生徒は授業と異なって自由なふんい気,たのしさを求めて集ってくること。
(4)生徒の中には,授業の延長と考えてクラブに入ってくるものもいるので,教科と深い関連をもつクラブではあるが,単に教科の補習をめざすものではないことを事前に十分に説明する必要があること。
(5)教師の適切な指導は欠かせないが,できるだけ生徒たちの手で活動計画をたてるよ