研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 027/066page

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にできる。

〔図11〕
図11

 以上の各実験で紹介したように,大変手軽に良いデータを得られることがご理解いただけたと思う。この実験で使用した3つの主な器具のうち,たとえばサーモカップの代りに,断熱材で保温したポリエチレンビーカーを用いても常温付近であり,発熱量が少ないときは支障がないし,サーミスタ温度計の代りに目盛が0.1℃単位の水銀温度計を使用して正確さを求めることも考えられる。

 溶解熱についてはモル比を100:1としたが他の物質についても,多くの実験をした結果によるとモル比は200:1のように温度差を測定できる限度まで,希薄にした方がよいデータが得られた。

 要は溶け易い物質を,なるべく細かく粉砕して,温度差計測可能な範囲で少量を,早く溶解させて計測することによって,誤差の少ない値が得られる。

 

6 あとがき

 今回,この様な報告をまとめたのは,昭和40年,理科センター発足時から既に13余年を経過したが,温度計などはどうなっているだろうと,古い道具箱からとり出した棒温度計を調べてみたのがきっかけとなった。
 また,サーミスタ温度計については,当センターにおける中学校理科講座において製作実習を実施したのを機会に,より多くの実験例を提供するためである。

 マグネチックスターラーも同じ講座で製作したものである。
 制作に要した実費は前者が2,000円,後者は1,500円程度であった。(電流計は別)
 資料は当センター科学技術教育部化学室にあるので利用されたい。

 最後に,本実験をすすめるに当って下記の著書を参考にさせていただきましたので誌上で感謝申し上げます。

 ○ 物理化学実験法 鮫島実三郎氏
 ○ 実験観察教材教具 (東京書籍)
 ○ 物理化学実験法 千原秀昭氏
 ○ サーモカップの利用法 東京都研武田一美氏


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