研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 038/066page
バレーボールのゲームの様相について
氏 家 仁
(教科教育部)1 はじめに
現行の学習指導要領では,バレーボールは球技の領域の一種目として取り扱われ,表1のように個人的技能,集団的技能及びゲームが,具体的な内容として示されていた。
表1 バレーボールの内容(現行学習指導要領)
ア.個人的技能 ・パスとレシーブ
・サーブ
・トス
・スパイクイ.集団的技能 ・サーブに対するレシーブ
・2段攻撃,3段攻撃とその防御
ウ.ゲーム ・作戦・規則および審判 そこで,球技の領域からバレーボールを選択して指導しようとすれば,これらの内容に基づいて,さらに,各学年段階に応じた具体的な内容を構成し,学習過程を作成して指導に当たればよかった。
ところが,昭和53年8月30日に保健体育科の新学習指導要領が告示され,昭和57年度から学年進行で適用され,昭和59年度には新しい学習指導要領で完全に実施されることになった。新学習指導要領では,おもに,保健と体育の目標や内容に改善が加えられたことは周知の通りである。
つまり,体育の内容を運動の領域と体育理論に分けた点は現行どおりであるが運動の領域については,運動の特性を重視した効果的な指導をするため,現行の7領域が,「体操」「個人的スポーツ」「集団的スポーツ」「格技」及び「ダンス」の5領域に整理統合された。運動の内容については,学校の実態や男女の持性などを考慮しながら生徒の能力・適性を生かして指導できるようにするため,共通に指導する内容(運動)を現行より削減し,選択して指導できる内容(運動)が増加された。それに,内容の表わし方も大綱的なものとなった。
表2 集団的スポーツの内容(新学習指導要領)
集団的スポーツ 内容の取り扱いア.バスケットボール ・第1学年
二を選んで指導する。イ.ハンドボール ウ.バレーボール ・第2・3学年
一又は二を選んでそれぞれ指導する。エ.サッカー オ.ラグビー 現行では,球技の領域の一種であったバレーボールが,新学習指導要領では集団的スポーツの領域の一種目として取り扱われるようになり,ただ,