研究紀要第35号 学習指導に関する研究 - 044/066page
ス・トス・スパイクによる返球」へと移行し
攻撃的な返球が多くなされている。
ことがわかる。
したがって,本研究で対象にしたゲームを,さらに,攻撃を含むパスラリーの多い様相に展開させるためには,それぞれの学年段階の生徒のゲームの様相に応じて,次のようなゲーム水準を設定し,この水準に到達できるような具体的な学習内容を構成して,指導にあたることが必要と考える。
学年 水 準 1パス・パス・パスによるゲーム 2パス・トス・スパイクによるゲーム
(様相によっては,パス・パス・パスのゲーム) 3パス・トス・スパイクによるゲーム
4 おわりに
この研究は,高等学校普通科男子生徒のバレーボールのゲームの様相を明らかにし,これに基づいて,各学年段階に応じたゲーム水準を定め,新学習指導要領に示された大綱的な内容(バレーボール)から,各学年段階の生徒の実態を考慮した具体的な学習内容や学習過程を作成する一資料を得ようとしたものである。すでに,「研究結果と考察」でみたように,高等学校普通科男子生徒のバレーボールのゲームの様相について,いろいろと知ることができ,一応研究の目的が達せられたと考えている。この研究から,バレーボールのゲームの様相や水準を次のようにまとめることができた。
(1) アンダーハンド・サーブとフローターサーブが多く打たれている。
(2) アンダーハンド・パスが多くプレーされている。
(3) 2・3年で,トスを上げてスパイクをするプレーが多くなっている。
(4) 1年で,「パスによる返球」が多く,2・3年では,「パス・トス・スパイクによる返球」が多くなっている。
(5) 以上の様相を基にして@ 1年では,パス・パス・パスによるゲーム
A 2・3年では,パス・トス・スパイクによるゲーム
を水準として想定できるのではなかろうか。今後,バレーボールのゲームの様相を効率的に観察・記録・分析・診断する方法をさらに検討しながら,この研究を進めていきたい。
参考文献
●前川 峯雄:新指導要領への対応と授業研究 福島県教育センター講座資料 1978
●橋本 正一:体育学習(「運動/集団」学習)の指導「バレーボール」 1975
●荒木 豊:バレーボールの技術の指導系統 山梨大学教育学部研究報告 第21号 1970
●栃堀 申二:バレーボール球技指導ハンドブック 1976
●文部省:バレーボール 中学校保健体育指導資料 第1集 球技の指導 1973引用文献
●大木昭一郎:新高等学校教育課程の解説 保健体育 学校経営 1978