研究紀要36号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究 (第1年次) - 000_02/022page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

ま  え  が  き

 学校教育の水準をたかめ,内容の充実を期するために学校経営のあり方についての関心がたかまっており,そのための施策や研究がすすめられていることはまことに結構なことであります。

 しかしながら,このことについて子細に検討してみるとき,改善の試みはそれなりの成果をあげているとの判断にはたつものの,なお幾つかの問題がのこされており,なかでも,最も焦点化して考えられるものに「経営評価」のことがあろうかと思われます。

 評価に関する概念の明確化及びその領域と内容,さらに,実施するうえの方法等でさらに課題を整理し,究明をはかることが必要であります。

 すでにこのことについてのとりくみは,各学校,教育機関等でなされていますが,なお途上にあると思われる部面も多くみられ,資料等についても今後の研究解明にまつことが少なくない現状のようであります。

 当教育センターは,現状に着目し,昭和53年を第一期とする3か年計画をもって「学校経営評価に関する研究」をとりあげ,1年次の研究をすすめてきたところであります。

 この研究では,評価のあり方自体が多様性をもつものと予想し,また,研究の成果は,教育現場の実践に即応すべきであるとの考えから,次の視点ですすめられています。

 ○ 経営評価の概念を整理し,その類型化をはかること。
 ○ 評価の領域と各内容,項目等を明らかにすること。
 ○ 評価の事例を分析・検討して基本的なサンプルを作成すること。
 ○ 画一的な結論は避け,多様性を予測した基本構想の樹立をはかること。

 このような考えをもとに,第1年次において行った調査では,関係各校からお忙しい中をご協力をいただき,回答をお寄せくださったことはまことにありがたく,心から感謝申し.上げる次第であります。
これによって,経営評価に関する教育現場の実情と貴重な実践例を得ることができ,分折の結果を本紀要第36号で発表するに至った次第であります。

 今後,予定された研究課題によって体系的な研究をすすめ,第3年次の終末において「経営評価に関する試案」をまとめてみたいと考えております。

 研究の過程とともに,各機関・現場のご意見・ご助言等をいただくことがあるかと思われます。
 ご協力をおねがいする次第であります。

 昭和54年3月

福島県教育センター所長  佐 藤 信 久


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。