研究紀要36号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究 (第1年次) - 001/022page

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T.研究の趣旨

 近年,学校経営の領域に経営理論が取り人れられ,学校経営を計画-実践-評価の一貫した過程としてとらえることが強調され,特に経営における評価活動が重要視されている。
 学校経営評価については,県内の各学校とも研究的に実践されているが,次のような問題が予想された。

 ○ 学校経営評価の構想・計画をたてる際に,学校経営の概念,領域,内容等の理解に問題はないか。
 ○ 学校経営評価の試案が研究機関等から提示されているが,学校での活用に問題点はないか。
 ○ 各学校で学校経営評価をすすめるうえで,よりどころになる研究資料が不足ではないか。
 ○ 評価の「客観化」について,具体的な作業に困難はないか。……等。

 このようなことから,次の研究構想をもって研究をすすめることにした。

1.学校経営に関する諸理論と現実の学校の経営実態との比較から,「実践的な学校経営」の概念・領域・内容が想定できるであろう。

2.教育センター等の研究機関の学校経営評価試案の検討から,学校経営評価改善の方向性,実際上の問題点等がは握できるであろう。

3.センター紀要1,12,17,21,30号の報告および,学校経営,評価を研究的に行っている学校の実態を,調査,検討することによって,学校で必要とする学校経営評価の領域,内容,方法を含む研究問題が具体的に出てくるであろう。

4.学校経営評価を研究的に行っている学校と協同研究することによって,学校経営評価の基本的事項や学校種別,経営の重点等に応じた現場的な学校経営評価の試案が得られるであろう。

5.このような作業を通して,学校経営評価の基本構想と評価試案を提示することができるであろう。

 以上のような考えで,学校経営評価の理論及び実際について調査研究し,小・中学校で自校化または実施できる学校経営評価の方法を提案し,県内の学校経営の改善に寄与しようとして研究をすすめた。


U.研究の内容と方法

この研究は,3年間の期間を予定し,次の計画をたてた。

 1年次の研究

(1) 学校経営理論の検討

(2) 各教育センター・研究所の学校経営評価研究内容の検討
 ○ 方向と評価の実際について,特に意図,領域,内容,方法(時期を含む)。

(3) 学校経営評価実践例(多様な事例)の収集
 @ 意図,領域,内容,方法(時期を含む),問題点等の訪問調査
 A 調査対象校の学校経営評価の事例分析
 B 学校経営評価構想のための問題点の整理

 2年次の研究

(4) 学校経営評価の基本構想の設定
(5) 学校経営評価構想による研究協力校の研究実践と検討
(6) 学校経営評価試案の作成

 3年次の研究

(7) 学校経営評価試案の検証
 ○研究協力校による検証

(8) 学校経営評価の方法についての研究のまとめ本年の研究は,上記の1年次の研究にあたり,学校経営評価の基本となる内容について整理し,第2年次以降の学校経営評価試案作成の基盤を形づくる役割を負っている。


V.研究の基盤

 学校経営や学校経営評価についての諸説を吟味し,現実の学校経営の実態との比較検討から「実践的な学校経営評価」を志向する本研究の理論的立場を明らかにしたい。


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