研究紀要36号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究 (第1年次) - 012/022page

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@ 教頭,教頭と教務が中心になる。…………………T型
A 教務部,評価委員会等の委員会が中心になる。…U型
B 全職員が何らかの形で分担参加して作成する。 …V型

〈要点5〉 学校規模,職員組織の実態によって学校経営評価計画の設定手順が異なる。

表6 学校規模と計画立案類型との関連

校種別
小学校
中学校
学校名
A小
B小
C小
D小
E小
F小
A中
B中
C中
D中
学校規模
(学級数/職員数)
38/49
30/39
26/32
20/26
8/13
4/6
24/48
23/39
13/23
12/23
計画立案の類型
V
U
T
U
T
T
V
U
T
T

 表6は,学校規模と計画立案類型との関連をとらえようとしたものである。A小学校・A中学校はともに規模の大きい学校であるが,全職員が何らかの形で分担参加するV型の方式をとっている。A小学校・A中学校ともに全職員を参加させるために,すでにできあがっている分掌組織等による立案形態をとっていることに注目したい。また,比較的規模の小さい学校では,教頭,教頭と教務が中心となって計画立案を実施する傾向(T型)を見ることができる。しかし,このT型の学校でも,職員会による最終審議に至る過程でいくつかの委員会等で検討審議を加えており,経営評価実施前の計画・立案の段階から,教職員の考えを反映させ,全職員の共通理解に立った経営評価のための配慮がはたらいているととらえることができよう。

 F小学校のように職員数6名で,校長,教頭を除いた教職員4名が教職経験3年未満であるという実態からは,委員会等を設けて審議する形はとりにくいであろうし,その必要もないのである。
要点6を,次のようにまとめることができる。

〈要点6〉 職員会の審議にかかる過程で,委員会等の調整検討を行っている。

 学校の規模,教員組織などの実態に即して,職員の衆知を集約し,経営に反映させるための手順や方法のくふうがだいじになってくる。

(3) 学校経営評価の領域(内容)について

 どのような領域(または項目内容)によって学校経営評価が行われているかを調べようとした。
 予想される評価領域24項目(内容〉を示し,他に必要な領域は学校でつけ加える方法で行った。その結果を示したのが13ページの表7であるが,考察の便宣上教育活動に関する領域と経営活動に関する領域に区分して整理した。

〈要点7〉 学校経営評価の領域区分は多様で,その内容も複雑,多岐にわたっている。

 調査前の予想をはるかにうわまわる数の領域になった。これは,学校での教育活動がひじょうに巾広く,それを支える経営活動を含めて評価の対象とするものが多様なためであると思う。

 これまでの調査結果にあらわれた学校経営評価についての考え方,ねらい,方法等についての違いから当然の結果であるといえるが,学校経営そのものの複雑さによるものと考えられないだろうか。そしてこのことは,各研究機関等から提案される学校経営評価,試案が学校にうまくとり入れられない理由にもなっていると推察される。

 このような状態でも比較的共通する評価領域は,次のものである。

〈教育活動に関する領域〉

 *数字は,表7の評価領域番号を示す。

1.教育目標
3.教育計画
4.教育課程
5.学年・学級経営
7.学習指導
8.各教科の指導
9.道徳の指導
10.別活動
11.生徒指導
13,14,健康安全教育
19.学校行事


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