研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 020/081page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

    5.テキスト課題3をする。
6.次時の予告をきく。
13
○心身をリラックスさせるため,腹式呼吸法を2分間程度行う。

○腹式呼吸をしながら,イメージ法も加える。作業時間は10分間とする。

    

7.まとめ

 学習指導における動機づけの手段として,賞や罰を与えたり,学習の効果を知らせたりする方法などがあるが,これらを,暗示ということで考えれば,覚醒暗示にあたり,教師側からの一方的な心理操作であるということができる。しかし,この心理操作が,たとえ,どんなに強力であっても,生徒の欲求階層にあわせたものでなければ,自発性をそこなってしまうので注意が必要である。

 例えば,試験にあがりやすい生徒が,「なんとかして,あがらないようにしたい。」と悩んでいる時,「落ち着いてやれるよ。」と,暗示を与えれば,自発性はそこなわれず,むしろ,積極性を育てることになるはずである。
 また,覚醒暗示をやっても,学習意欲に乏しい生徒については,個人指導をほどこす必要がある。

 例えば,自律訓練法の標準公式+強化暗示,場合によっては,催眠療法を行うのである。しかし,これらの方法は,教師の興味によって行うべきものではない。催眠療法などは,その技術を十分マスターしたうえで行い,いやしくも,教師としての倫理性を疑われないように努めなければならない。

 最後に,今後,高等学校教育が,ますます普遍化される現状にかんがみ,教師は指導技術について,研究を深め,学習意欲を高める方法を確立する必要があると思われる。

参考文献
・学習意欲をどう引き出すか
  桝田 登
学事出版社
・学習意欲の高め方
  辰野千寿
図書文化社
・教育における暗示利用法
  桝田 登
日本文化科学社
・怠学心理とその指導
  桝田 登
学事出版社
・教育心理 18巻 24巻 26巻
   
日本文化科学社

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。