研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 044/081page

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を用いて,次の地形を観察せよ。
1 段丘面と段丘面の境にできる段丘崖を観察して書き入れる。
2 段丘面の上下関係を調べる
3 発電用片門ダムが見られる。このダムは,どのような地形を利用して貯水しているか。
4 川の両岸が深くけずられており,川の流域には素晴しい段丘地形が見られる。このような地形ができるプロセスを考える。

−チェックポイント−

1 只見川流域に発達する河岸段丘について柳津から阿賀川にかけての河岸段丘の発達は見事で,段丘崖をたどって区分すると6段面ある。うち,TUとTVの段丘には,沼沢火山が噴出した軽石が厚く堆積しており,TU,TVを同じ段丘面と見ることもできる。

3 片門ダムと地形
 ダムの多くは水没地域を伴なうが,片門ダムは,川の下刻作用でできた,深い川岸を利用している。鏡下でダムサイトの高さ(29m)と下位の段丘面の高さを比較せよ。

4 只見川流域に発達する段丘地形の成因
只見川の上流である南会津山地の鮮新世からの隆起運動にともなって,只見川の下刻作用の若返りによって,段丘地形ができたと考えられている。

〈実習7〉
 図20は,東小富士を中心とした火山地形の空中写真である。実体鏡を用いて次の地形を観察せよ。
1 火山の形や火口の形状
2 溶岩流の模様

−チェック・ポイント−

1 吾妻小富士の形と火口
 吾妻小富士は,東吾妻火山活動の末期にできた中央火口丘の一つで,火口から,多量の噴石と溶岩を噴出してできた円錐状の火山である。火口はすり鉢状をしており,桶沼と違って火口には水はとどまっていない。

2 溶岩流の模様
 火口からあふれ出た溶岩は斜面を流れ下るが,途中溶岩の温度も下がりねばり気が増すので,溶岩流の表面は立体的な形を示している。

4.おわりに

 学校周辺には教材として,埋もれた素晴しい地形が多く存在する。児童や生徒にとって,それらの身近な地形の教材化がより大切と考えられる。

図20 図21
図20 東吾妻火山(空中写真) (国地総複発第179号)
図21 東吾妻火山(解説図)


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