研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 043/081page
岸流による堆積作用によって形づくられた。
1 鵜の尾岬や山信田の海食崖
松川浦周辺の鵜の尾岬や磯部の茶屋の岬は,鮮新世のシルト質のやわらかい岩質からなる丘陵の東端で,太平洋の荒波でけずられた海食崖が見られる。山信田一帯の低地帯は,水田として利用されているが,砂州(大州)ができる以前は,山信田一帯は入江で,外洋の荒波で岸は浸食され,海食崖がつくられた。2 砂州や中州の形とその並び方
中州の延長上に大きな島が二つあるが,これらの島々は中州の一部で,海岸に沿って流れる沿岸流で作られた。この州が作られた後,地盤の隆起等が原因して,沿岸流が沖に200m移動し,磯部から北に向かって,細長く砂礫を堆積し砂嘴を作り始め,ついに,砂嘴は鵜の尾岬にまで達し,砂州(大州)となった。
また,中州も砂州も平行して並んでおり,砕波も岸に平行している様子から,海岸は,岸に沿って,沖に向って次第に深さを増す,遠浅の海底地形であることが推測される。3 宇田川や小泉川の川口周辺の三角州と潟湖の水深
外洋にそそぐ川口附近には,一般に,海岸に沿う長い砂浜(長汀)が多く見られるが,松川浦が潟湖となった後は,沿岸流の影響も受けず,川口周辺には三角州が発達し始めた。
(大州が形成される前,宇田川は日下石にそそいでいた)
また,川口から吐き出される細かい砂泥は,川口から遠くまで運ばれ堆積した。潟湖の北部一帯は,砂泥でうまって浅くなっている様子が写真から観察される。〈実習6〉
図18は柳津付近を流れる只見川流域に見られる素晴しい河岸段丘地形の空中写真である。実体鏡
図18 只兄川(空中写真) (国地総複発第179号)
図19 只見川(解説図)