研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 056/081page
いた。岩手県の祝い歌「気仙坂」の変化した歌が,南下して原釜に流布したものである。
力強いなかにも新鮮な魅力を秘めたすぐれた民謡である。
ウ 音楽的特徴
拍節的なリズムによる民謡である。
基本のリズムはで,変化してからできている。
この歌は,陰音階(都節音階)と律音階からできている。
転調陰→律→陰
曲の構成A(a,b)−B(c,d)
エ 目標
日本の音階を理解させるとともに,曲趣を生かして力強く勇壮に,大漁の喜びを表現させる。
郷土の民謡のよさを認識させ,郷土の音楽に興味や関心をもたせる。
オ 指導計画
陰音階の理解と曲趣を生かした歌唱表現……第1時
郷土の民謡を調べ,その特徴の理解と表現……第2時
カ 本時のねらい
陰音階でできている曲になれさせ,その音組織を理解するとともに,大漁の喜びを生かした力強く勇壮な歌唱表現をさせる。
キ 具体目標
聴唱・視唱活動を通して,全曲を歌うことができる。
陰音階の音組織の特徴がわかる。
大漁の喜びを生かして,力強く勇壮に表現できる。5.指導場面
おわりに
これまでの日本の音楽教育が西洋音楽中心であっただけに,日本の音楽そのものについての教育的研究は浅く,指導の体系や方法が確立していない。それだけに,郷土の音楽の教材化も,種々の問題点がある。本研究もその解決の一方策になるかどうか疑問であるが,参考にしていただければ幸いである。
参考文献 ○「日本伝統音楽の研究I」
○「福島県の民謡とわらべ歌」
○「日本の音」
○「日本の民謡」
○「中学校指導書音楽編」 小泉文夫著音楽の友社
懸田訓弘編著岩瀬書店
小泉文夫著 青土社
浅野建二著 岩波書店
文部省 教育芸術社