研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 058/081page

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中学校被服実技の指導資料の研究
−新題材スモックを中心として−
 
佐 藤 清 子
(科学技術教育部)

1 はじめに

 学習指導要領の改訂により,被服1においては,新題材としてスモックの製作が取り上げられている。スモックの製作を通して,第1学年の生徒の力に応じた基礎技術を習得させるとともに,作業着としての機能や役割などを考えさせ,それに適した被服材料の性能について理解させることをねらいとしている。布地の購入,製作過程などを通しての消費者教育や,広く家庭生活に関連している家庭経済,家族関係にもふれたい。

 また,製作したスモックを調理実習などに着用させ,着心地・はたらきやすさ・動作とゆとりなどについて観察及び反省を記録させ,今後の作業着の製作または作業着の選定の際に活用できる能力を養うことをも目的としている。
 今回は,スモックの製作学習における基礎技術を支える資料として縫製に関する実験を試みたので紹介したい。

2 小学校・中学校における縫製に関する指導事項の関連

 
小学校5年
小学校6年
中学校1年
中学校2年
中学校3年
実習題材
小物と袋ボタン付け カバーやエプロンの製作,ほころび直し
簡単なししゅうなど
作業着の製作(スモック) 日常着の製作(スカート) 休養着の製作(パジャマ)
手芸品
縫製技能
なみ縫い
返し縫い
玉結び
玉どめ
ミシン縫いによる直線縫い
まつり縫いなど
目的に応じたミシン縫い
ししゅう糸でさす
二度縫い
三つ折り縫い
見返しによる縫い代の始末
そで付けなど
仮縫い
ダーツ縫い
端ミシンによる縫い代の始末
ファスナー付け
ベルトつけなど
仮縫い
伏せ縫い
バイヤステープによる縫い代の始末
えり付け
そで付け
ししゅう
編み物・染色

 小学校・中学校における実習題材は,児童・生徒の発達段階にふさわしいものが取り上げられている。各題材を単に作らせるのではなく,5年の場合を例にとれば,「小物」では何を製作させ,技能の指導の重点をどこに置くか,「袋」ではどうか,など技能を指導する順序や重点の置き方などについて考えて指導する必要がある。このようにして,児童・生徒の発達段階


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