研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 014/038page
2 社会科
昭和54年10月9日(火) 第2校時 6年2組 機器室社会科学習指導案
授業者 福島四小教諭 高村正寿
● 研究主題
歴史的認識を深めさせる指導はどうあればよいか。
● 研究のねらい
社会科の目標(第6学年)に迫るためには,歴史的事実・事象の表層的・断片的な理解にとどまらせないで,歴史的思考力を働かせて,歴史的認識を深めていなければならない。歴史的認識が深まるということは,歴史的事実・事象に出会って(直観的認識)強い疑問・矛盾を感じて間題をとらえ,資料をもとにして,児童にとって新しい歴史的事実・事象をとらえ(事実認識),それらを比較したり,関連づけたり・因果思考をしたりして,歴史的事実・事象の意味・わけがらをとらえる(関係認識・本質的認識)ことである。
しかし,本学級の児童たちは,歴史的事実について,いつ・だれが・何をしたかなどの表層的なことはよくとらえるが,歴史的事実と事実を関係づけたり,比較したりしながら歴史的事実・事象の意味づけをすることができない場合が多い。つまり,本質的な認識にまで深まっていないことを示す。そこで次の解決策を取り入れて歴史的認識を深めさせたい。
● 研究主題の解決策
団強い疑問・矛盾や驚きを感じるような歴史的事実や資料を提示して,問題場面を設定する。
歴史的資料を比較したり,関連させたりさせながら,歴史的事実を発見させ整理させる。
とらえた歴史的事実・事象を大切にし,それらを他の事実・事象と比較したり関連づけたりする活動の場を設ける。1.単元名 明治維新
2.単元の目標
明治政府は欧米の制度や文化を積極的に取り入れて近代化をすすめ,日本の産業や人々の生活に大きな変化がみられるようになったことについて,基礎的資料や人物の働きを効果的に活用させて理解させる。
(1)・(2)・(3)・(5)省略
(4) 近代化政策は,人々の生活にも及び,急速に西洋化されていったことを理解させる。3.指導計画(総時数5時間)
4.本時の目標
「文明開化」のようすを理解させ,それが明治維新の諸改革と結びついていたことに気づかせる。 @ 2枚の資料(江戸・明治時代の風俗画)から,課題「人々の生活はどのように変わったか」をとらえることができる。
A 2枚の風俗画をもとにして,服装・交通・建物の変化に目をむけ,明治時代になって変わった事実を見つけることができる。
B 「文明開化」は,生活全般にわたり,東京を中心に,短期間のうちに,西洋風になったことであることがわかり,それらを指摘できる。
C 「文明開化」が既習の「富国強兵」などの諸改革と結びついていたことを共通点から指摘できる。5.児童の実態 省略