研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 023/038page

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7.事後研究会の記録

 昭和54年11月12日(月)午後2時30分〜4時30分   場所 福島四小
 出席者37名(福島四小,福大附属小,福島三小,教育センター)

(1) 授業者の自評

自発的に学習させるため,5つの方策を立て,授業の質的な転換を図ろうと考え授業を進めてきましたので,それらの設定の理由と本時の授業についての反省を,項目ごとに述べたいと思います。

@ 解決策のは,単元の導入段階に1時間をとり,単元の見通しを持たせることですが,ここでは,教師の演示実験などを中心に行い,子どもたちに,単元全体を見通した学習課題づくりをさせています。演示実験を観察して,「わかっていること」や「わからないこと,疑問」を明らかにして,いくつかの学習課題をつくりあげる作業をします。これは,自発的な学習を誘発するものとして大切なことだと思います。

A 解決策のは,前時に結論を導くために行った実験を再現したり,解決すべき学習課題が秘められた事象を提示したりして・学習課題をひとりひとりのものにし,自ら問題解決にせまる自発的な学習に近づける方策です。本時は「1本のろうそくに火をつけ,そして消す」という簡単な演示実験ですが,それを子どもひとりひとりに返してやり,身近なろうそくの炎から,学習課題をとらえさせようとしました。

B 解決策のは,発問の問題です。
これまでは,同じ発問を何度も繰り返すばかりで,思うように学習を進めることができなかった,苦い経験があります。今日の授業では,発問を主発間と補助発問に分け,ひとりひとりに理解させるように努めましたが,学習過程への位置づけや,授業の中での発問が不明確だったように思われますので,研究協議の中で御指導いただきたいと思います。

C 解決策のは,より多くの児童が,実験・観察を自発的に進めるための方策として考えました。グループの学習形態だから実験もグループで,と決めてはいけないと思いますし,また,個人の思考や能力差に応じられるような準備ということも大切だと思います。今日使ったのは,児童が持ってきたろうそくで,大きさもさまざまですが,教師側でも太い物を用意しました。実際の実験では,いろいろな使われ方がされていましたので,あとで話し合いの中に出して欲しいと思います。

D 最後のは,学習形態のことです。理科の授業ではグループの形をとることが多いのですが,ややもすると個人の学習が成立していないこともありますので,ここでは,グループ学習の中での個別学習を促す方法を考えてみました。今日の授業での個別学習のさせ方については,多くの問題点が見られたことと思いますので,このことについても,協議の中で御指導をいただきたいと思います。

(2) 協 議

司会 授業者から,授業の意図や反省をいただきましたので,そのことも含め,テーマにそって,No1からNo7までの観点について話し合いを進めていきましょう。まず,課題は握の段階で,特に観点No1,演示実験,児童の実験によって課題意識が高まり,自発的な学習がみられたか,というあたりに焦点をあててお願いします。

A 課題を引き出すために,ひとりひとりが生き生きと実験に取り組んでいたようです。おおよそ課題もノートに記録できていたようですし,木の燃え方と関連させて,ろうそくは何が燃えて炎になるかという意識もうかがえました。

B 前時の復習については,少し時問がかかりすぎたように思われます。もっと焦点をしぼれなかったでしょうか。

込堂 個々の児童の問題意識が違うので,どうしてもそれにとらわれてしまい,特に,下位の児童を意識することになり,くどくなりがちです。

司会 演示実験の効果はどうだったでしょうか。

込堂 ここでは,児童が自分でろうそくに火をつけてみようとする意欲を起こさせたかったわけです。

C ろうそくに火をつけるだけで,気体が燃えて


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