研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 024/038page
いるということまでには気づいていなかったように思われるのですが。
D 板書された、課題は,「ろうそくの炎も気体が燃えているのか」になっていたし,自分のノートに記録するときも,大部分が「気体」にふれて書いていた。しかし,個別に実験するときにはそれが生かされていなかったようです。
E 課題は握の段階での演示実験は,普通,問題場面をはらむ事象を提示して,そこから課題を発見させることがねらいだが,本時のように,児童の活動を誘発するような,別の意味での価値も考えられてよいと、思います。
B 課題をとらえさせるための主発問は何であったのかを吟味する必要がある。たとえば,点火する位置に注意するとか……。
司会 個別に,とは言うがどうもうまくいかない。つまり,やってみて考えればよいのに,なかなか活動に移らない子どももいます。
D 参観者に囲まれていなかったらやっただろう。本時のような状況では,児童はうかつにやれないという考えを持ったのではないだろうか。
A 課題は握に適したろうそくの選択ということもつまづいた一つではなかっただろうか。新しいろうそくと,使い古したろうそくでは結果が違うし,そのようなつまづきをなくしてやることも一策ではないか。
込堂 あくまでも児童の意志にまかせ,うまくない原因を自分で気づける子どもに育てたい,というのがわたしの考えですが。
司会 この辺で,抽出児の動きはいかがでしたか。
H 下位の児童についてですが,授業の始めには身をのり出していたが,課題は握のための個別実験の前には,「ろうそくを小さくけずって試験管に入れる」というような記録をしていた。実験の段階になって,どのようにするのかがわかってきたようだ。
I 中位の児童は,的確に反応し,意図的に活動していた。
J 上位の児童は,「ろうそくのほのおも気体がもえているのだろうか」という課題がすでに記録されており,目的をよくとらえて行動していた。
C No1の観点では,女子児童にいくぶん意欲的でない面もみられたが,多くの児童は,興味を持って課題は握のための個別実験に取り組んでおり,更に,前時の学習と結びつけて課題をつかもうとする意識が見られ,教師の意図していたことは,十分達成されたと思います。
司会 それでは,No2のところなのですが,課題がすでに記録されていた児童が数名いたようですが,これについてはどうでしょう。
込堂 単元全体の見通しができている子どもには,それができるようです。
G 学習訓練のいい表れだと思う。どうしてそのような課題が設定されたのか,その理由などについても発表させる場面も欲しかった。
(省 略)
司会 No3の「発問」についてはどうでしたか。
E 3名の児童の発表に終わっていたので,もっと発表者を多くし,考えを多く出させたかった。
司会 検証計画の段階では,観点の点数を見ると,-1が14名,0が19名,+1が4名でした。どうも,主発間と補助発問が明確でなかったような気がしますがどうですか。
込堂 そのとおりです。方策についての手だてが甘かったように思います。
B 授業案の留意点に,主発問はもっと明確に位置づけるとともに,児童の反応にもっと柔軟に対処する必要があると思います。
A 子どもは,予想と方法とが混然としてしまう場合があるので,適切な補助発問により,ねらいを明確にさせてやる必要がある。
(省 略)
司会 では,検証の段階で,No4の実験材料についてはどうでしたか。
H どの子どもにも,結果のはっきりわかる,使い古しの太いろうそくを用意して与えたかった。この時間だけで,いろいろなつまづきを克服して目標にせまらせることはむずかしい。「わかった,できた」という場面の設定をし,成功感を昧わわせて,意欲を盛り上げることが大切だったのでは