研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 026/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

4 音楽科

 昭和54年12月7日(金) 第5校時 6年3組   音楽室

音楽科学習指導案

 授業者 大森小教諭 武田能謙

●研究主題
「児童に音楽学習の楽しさを感じさせるため,指導の手だてをどう工夫したらよいか。」

●研究のねらい
児童が音楽の授業で楽しいと感じるのはどんなときであろうか。アンケート調査の結果をみると,「よく歌えたり,楽器がよくできたとき,みんなに合わせて演奏できたとき,練習の成果が認められたとき。」などをあげている。反対に,いやだと感じる場合は,「説明がくどい割に,練習や考える時間,活動する場がすくないこと」などをあげている。

これは,児童と教師との間に,音楽の楽しさの受けとめ方について違いがあり,それまで教師は,無理に自分が考える楽しさを,児童に押しつけていたことを示している。このような教師の一方的な「楽しさ」の無理じいや押しつけは,かえって,児童の音楽を愛好する心情を育てる上で最も基盤となる音楽についての興味関心をそこなう結果になりはしないだろうか。

ところで,授業を楽しくする手だてについてはいろいろ問題にされてきたが,その多くは,児童の実態にそぐわない授業であったり,音楽の美しさや楽しさの感動的な体験にせまる指導がすくなかったのではないだろうか。
以上の反省にたって,標記の研究主題を設定した。

●研究主題の解決策
  本時の学習にふさわしいふん囲気づくりをする。
  学習課題をは握させるため,具体的なヒントを工夫する。
  児童の創造的な活動を活発にする適切なな発問と,活動の場を工夫する。
  音楽の美しさを味わわせたり,表現したりするための,発問や鑑賞のしかたを工夫する。
  学習の成果を自覚させる工夫をする。

1.題材名   メヌエット(クリーゲル作曲)

2.題材の目標

 (1) たて笛のいろいろな奏法に慣れさせる。
 (2) 各パートを生かしながら,調和のとれたアンサンブルができるようにさせる。

3.指導計画(総時数2時間)

 (1) 曲の構成の理解と三重奏の計画・練習
   第1時
 (2) 各パートを生かしたアンサンブルのまとめ
   第2時(本時)

4.本時の目標

各パートを生かしながら,調和のとれたアンサンブルができるようにする。

 @ 各パートのむずかしいところをたしかめながら,レガートでふくことができる。
 A 対位的な旋律を生かしながらアンサンブルができる。
 B 各パートを生かし,調和のとれたアンサンブルをまとめることができる。

5.児童の実態

34名の全児童が,たて笛で平易な旋律はふけるが,技能においては個人差があり,上位8名は美しい音色で教科書の曲をふきこなすのに比べて,下位3名は運指がせいいっぱいである。しかし,たて笛には全員が意欲をもっている。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。
福島県教育センターの許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。