研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 025/038page

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ないか。

J と同時に,いろいろなことをやってみるという場面構成がやはり欲しかった。そのようなことによって子どもの思考は高まるものだから。

司会 目標にそった実験材料を用意することや,子どもの思考を深めるための場を構成することが必要のようですね。
では,個別学習が自発的な学習を高める要因となっているか,のNo5についてはどうですか。ちなみに,点数は-1が15名,0が17名,+1が5名でしたが。

F 女子が慎重すぎてなのか,とりかかりが遅かったようでした。

G わたしの見たところは,だれかがやるのを待っているような状況でした。やはり,グループ内の優秀な子に引かれているようでした。

C 机がグループの形であったために,個別実験として進めにくかったのではないでしょうか。むしろ,ひとりひとりの机のまま進めたほうが良かったのではないだろうか。

G 子どもたちが安心して活動できる状態にもっていってやる必要もあり,一概にグループがまずいとも言えない。ひとりひとりがまず同じことをやってみて,さらに小集団でやってみるとか,みんなでやってみて,さらにひとりひとりやってみるとかの工夫もあるだろう。

   (省   略)

司会 No6の「ろうの動きに注目しているか」のあたりではいかがですか。

I ろうの動きには,あまり目が行っていなかったようだ。

D 結果論であるが,やはりもっと時間的なゆとりが欲しい。子どもは多種多様なことをしている。

E どうも,ろうの動きを見る必然性がないような気がする。何か異質なことがポッと入ったというような感じを受けました。

A ろうの動きだけでなく,しんだけとって燃やしたり,ろうだけ燃やしたりして,情報をたくさん持っていると,また,別な展開が生まれてきそうですね。

   (省   略)

司会 No7,「ろうそくの炎と気体を関連づけているか」というあたりではどうでしたか。

C 論拠をただして発表させていた。したがって,集団思考の高まりがあったように思える。「目には見えないことですから,らしいです」と発表していたしっかりした子どももいました。

司会 本時における目標の到達度についてはいかがでしたか。

B 授業者は机間巡視をして,個々にとらえていたようですし,その子なりの目標はほぼ達成したと見てよいと思います。

   (省   略)

8.まとめ

この一連の理科の授業研究を通して,新たに数多くの問題点や研究課題が見いだされたが,まず,その効果の主なものについてあげると,

 (1) 主題の解決策の1つに,主発問と補助発問の位置づけが取り上げられており,問題設定や子どもの思考の筋道をとらえた指導案の作成ができ,事前研究会においても指導者の意図が十分くみとられ,協議の内容にも深まりがみられた。
 (2) 「主題の解決策」は,学校の実態に即して設定されており,理科指導の重点事項として,全学年で指導できるものが得られた。
 (3) 実験や観察の観点が明らかになっているので,その学年,教科を担当していない教師でも,研究の主旨に即した観察記録が得られ,事後の話し合いでの高まりがみられた。

また,今後の研究課題としては,

 (1) 指導過程に密接な関連を持つ具体目標においては,更に,より具体的に,子どもの学習到達程度を明らかにする必要・がある。
 (2) 実際の授業では,主・補助発問の明確でない点がみられたので,特に,補助発問においては,実物の提示や視聴覚教材なども合わせて,より具体化する必要がある。
 (3) 観点の設定にあたっては,表面的な行動のみにおちいりやすいので,子どもの思考過程などもとらえられるような工夫が必要である。


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