研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 029/038page

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7.事後研究会の記録

 昭和54年12月7日(金) 午後2時20分〜4時20分 
 場所 大森小学校
 出席者11名(大森小,蓬莱小,教育センター所員)

(1) 授業者の自評

 研究主題の解決策を五つにまとめ,それを考えながら授業を進めてみました。

@ 解決策は,音楽学習では特に大切と考え,始業前に2〜3曲たて笛のアンサンブルをさせ,楽しい気分にしてから授業に入りたいと思いました。それに本時はたて笛が中心の学習ですから,「メヌエット」の三重奏の直前に全員で既習曲を演奏させたのですが,その効果はどうだったでしょうか。

A 解決策は,どうしたら美しいアンサンブルになるか,音程,リズム,フレーズなどについて問題点を明確に指摘できるようにヒントを与え,児童自身に本時の学習課題を確実につかませたいと思いました。

B 解決策は,どうしたら自分たちの力でアンサンブルをつくりあげ,その美しさと喜びに浸らせることができるかにねらいをおき,適切な発問と活動の場を提供しようとしました。

C 解決策は,音楽学習で最も大切な場面と考えられます。話し合いや演奏をしながら,また録音を聴きながらより美しいアンサンブルをまとめさせたいと思いました。

D 解決策は,本時の学習でめあてがどの程度達成できたか,児童ひとりひとりに評価させたかったわけです。A,B,Cという簡単な三段階のものでも,あのような率直な反応をみることができますし,その時間の学習の成果は,いつも児童に自覚させたいと考えています。

以上の解決策を意識して授業を進めてみましたが,個々の能力差は問題になるにしても,「メヌエット」のアンサンブルはだいたいまとまったと思いました。しかし,この曲をさらに美しく表現させるためには,あと一時間ほど取り上げてみることも考えられます。小学校の教材として,この「メヌエット」のたて笛アンサンブルは,かなり高度な曲のように考えますし,なん時間かけて完成ということにはならず,やればやるほど,その美しさを追求できると思いますので,また時間がとれ次第指導してみたい曲です。

 (2) 指導内容1について

司会 授業者より,研究主題の解決策にそった本時の意図や反省などを含めてお話いただきましたが,これから授業過程にそって,観点No.1から話し合いを進めたいと思いますので,ご意見をお願いします。
 では,観点No.1についていかがでしょうか。

W 授業のはじまる前に全員で「きよしこの夜」「ドミニク」など楽しそうに次いていましたが,あれは,本時のたて笛の学習に直結するものであり,解決策からみて,効果的であったと思います。

司会 観点No.2についてはどうでしょうか。

 「メヌエット」の各パートの小節ごとに番号をつけ,子供たちが問題を指摘しやすいように配慮されていたが,教師がむずかしいと予想した部分と,子供が指摘した部分は同じでしょうか。

武田 子供は楽譜が複雑なのを見ると,すぐにむずかしいと思うようだが,トリルの部分は共通してむずかしいと思うし,私は,その他オクターブ奏とか,出だしの音の和音とかが問題だと考えますね。

K 奏法のテクニックのむずかしさについては,習得している子供はよいが,全員ができるようにするため,音程やリズムの動きについてもっと具体的に説明してもよかったと思います。さらに〔 〕でむずかしい部分をかこみましたが,あれをもう少しくわしくとりあげてほしかったですね。

司会 解決策の,具体的なヒントについてはいかがですか。

K いままでにない対位的な曲なので,ヒントの@−Bの出し方は適切だったと思います。また,この曲の特徴を分らせるため,色別の旋律線を示したこともよかったと思います。

 子供の発言の中で,「どのパートも物語の主人公のようだ。」という発言がありましたが,これは


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