研究紀要43号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究U (第2・3年次) - 017/049page

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V 学校経営評価の実際

 学校経営評価の構想の項で述べたとおり,現代の学校経営の改善に役立つ評価票の開発につとめ,その成果として巻末の学校経営評価票を作成したわけであるが,当評価試案が現場の各学校で実際に活用されるためには,その使用方法を正しく理解してもらうことが大切である。以下,具体的な資料や協力校の事例等を挙げながら,当試案の評価票及び集計票等の使用の実際について説明する。

1 学校経営評価の手順

 評価の手順については,前章の「評価の実施方法」の項で若干触れているが,評価の手順は経営評価の実際において基本となる事項なので設定に当たっては,資料や事例をもとに十分共通理解を図り,評価活動の実際が効果的に展開されることが必須条件となる。

 そのために,評価票を使用して評価することの前に,その評価をどんな手順で実施するかという評価計画及びその運営の仕方が明確にされていなければならない。どんなにすぐれた評価票を使用したとしても,その評価計画にもとづく手順や運営が確かでなければ,その効果はあまり期待できないことも考えられるからである。

 当研究においては,この評価の手順についても十分留意し,各学校の実態に応じた評価活動が展開されるように,協力校における実践例等も紹介することとした。

(1) 評価活動の手順

 経営評価を経営過程に即した三段階に大別し,その主な活動を展開の手順に従って整理すると,前掲の表4のようにまとめることができるが,さらに,その具体的な活動内容と当研究で開発した経営評価に関する資料等とを関連づけると,次の表8のようにまとめることができる。

表8 評価活動の手順(内容と資料)

▼計画の段階(計画・準備)

手  順
内  容
ア 学校経営評価についての共通理解 ○ 学校経営評価の意義・必要性についての共通理解
○ 経営評価→経営改善への意識づけ
・ 「経営評価領域構成表」の活用
イ 学校経営評価計画の設定 ○ 経営評価のねらい,実施の時期・日程・組織等についての計画立案
○ 評価票作成の基本方針の決定
ウ 評価票の作成 ○ 評価領域,評価項目,評価観点,評価尺度,処理・集計の方法等についての吟味検討
・ 「評価試案」の活用,または,自校化

▼実施の段階(実施,集計・処理)

手  順
内  容
ア 評価票記入 ○ 全職員の参加による評価票への記入
・ 「期末用・年度末用」

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