研究紀要43号 学校経営改善に関する研究 学校経営評価に関する研究U (第2・3年次) - 016/049page
(3) 実施の時期
経営評価のねらいを達成し,動態的な経営を進めるには,年度末一回だけの評価より,評価計画に従った意図的,組織的な評価活動による年度途中の評価が必要であることは,前述のとおりである。また,評価計画による具体的な評価活動は,教職員の意識の変容を図る上でも,大きな影響を与えるものであることも予測される。従って,当研究においてもこの点に留意し,年度末の評価のみに片寄ることなく,年度途中の評価として学期末の評価も実施できるよう配慮して,二種類の評価票を作成したわけである。
ただし,学期末の評価の実施の時期や回数については,各学校の実状により異なることも予想されるので,次の三つのことに留意し,実施の手順と時期の関係を表6にまとめた。なお,参考として協力校の実施時期の様子を表7にまとめ,その考察を付記した。
○ 実施時期の留意点
・ 年度頭初に,全職員の経営評価についての共通理解を図る機会を設けること。
・ 年間計画に伴って,経営評価を行うこと。
・ 学期ごとの経営評価,年度末の経営評価を評価計画に位置づけること。〈考察〉
方法T,方法U,どちらも学期末の経営評価を実施しているが,年度末の経営評価も考えあわせると,学期末の評価は年二回までが限度であろう。なお,どちらの方法も,評価実施後の改善策の検討及び新年度計画の立案にも多くの日数をかけていることがわかる。経営評価のねらいが経営改善のための資料を得る機会として受けとめていることがうかがわれる。