研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -006/071page

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時間の流れに沿って連続して展開される教育活動としての教育課程のPDSが,常に教育目標や教育課程編成の基本方針等にコントロールされるという考え方でとらえ直すことである。具体的には,総合的・客観的な評価に基づく資料により,教育目標に照らし,何が成果として実現され,何が次年度の課題なのかを明らかにして,次年度の計画改善へ組み入れることである。

(8) 経営的発想に基づく教育課程経営の観点

組織化(組織的活動) 全員参加の組織 学校の教育目標は,全教職員の主体的な経営参加によって,能率的・効果的な達成が期待できる。教育課程のPDSの各過程におけるあらゆる組織づくりに当たっては,この主体的な経営参加と全員参加の二点について最も配慮しなければならない。
機能的組織 経営組織は,目標達成をめざして機能的に働かなければならない。そのための組織は,運営しやすく,その時点,時点における課題に十分対処できる柔軟性に富むことが必要である。教育課程経営における組織づくりは,簡単にして要をつくしていなければならない。
計画化(計画的活動) 見通しのある計画 計画(Plan)は,ややもすれば,PDSのPの過程における計画,あるいは,そのための作用・活動にのみ限定されてとらえられがちである。しかし,教育課程経営における計画は,実施・評価の各過程にまで及ぶ計画でなければならない。
弾力性に富む計画 教育課程の経営の実際においては,当初の組織・計画どおり運営され,実践されるとは限らない。綿密な計画立案を心がけるとともに,実践の途中で計画が評価され,適切な対処・対応により修正されるというゆとりと弾力性のある計画であることが大切である。
調整化(調整的機能) モラールの高揚 教育課程経営においては,個々の教職員の主体的・積極的な経営参加への意思・態度とともに,組織集団としての目標達成のための充実した協働の力によってその効果が期待できる。教育目標達成につながる質的に高い協働への意欲がモラールであり,これをいかに高めるかが教育課程経営においては最も配慮されなければならない。
コミュニケーション 教育課程経営における編成・実施・評価の各過程における実践活動の一つ一つについて,全教職員が共通理解を深め,組織体としての協働意欲を高めることは,すべて教師間のコミュニケーションにかかっている。したがって,コミュニケーションの行われる実際の過程や,そこに関与する要因を検討し,組織形態との関連を明らかにしておくことが教育課程の経営では重要である。


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