研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -005/071page

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の手引―新版」をもとに,次のようにとらえる。

教育課程の経営は,学校経営の中核として,学校経営内におけるあらゆる活動と密接にかかわりあいながらも,しかもその要となる役割をになうものである。それはまた,教育課程経営が,学校経営の一環として,総合的・全体的に推進される作用であるということでもある。

(5) 教育課程の経営と教育課程の管理

教育課程の展開を意味するものとして,「教育課程の経営」とともに「教育課程の管理」が一般的に多く用いられているが,本研究では,この経営と管理について,諸説から次の2点を明確にした。

教育課程の経営は,監督・監視という管理機能や画一的な管理から,教職員一人一人の主体的な経営参加に根ざす,創造的機能を十分に発揮した経営を重視する視点で行われなければならない。管理作用はその過程においていかに調和的にはたらかせるかが,問われることになるのである。

編成された教育課程が,実際に組織的活動として,マネージメント・サイクルにのり,常に高次の目標をめざして,創造的活動が展開されたとき教育課程を経営しているといえるのである。

(6) 教育課程経営の意義・機能

教育課程の経営とは,学校経営のいろいろな要素や機能との相互関連を保ちながら,教育目標から授業に至る教育活動がマネージメント・サイクルの流れにのって,計画的・組織的に展開されると同時に,常にコントロールされて教育的機能を発揮させることである。即ち,教育活動と経営活動との有機的な関連により,教育課程をダイナミックなPDSとしてとらえ,学校教育の効果を高めるはたらきである。

原実氏は教育課程経営の機能について,次のように説明している。


「教育課程の中核としての授業には,図4に示すように,不可欠なさまざまな条件・機能がはたらき,かかわり合って成立している。授業の充実,ひいては教育課程の改善を求めるには,このかかわりを図5に示すように,□印は組織部門,印は対人間関係,●は運営条件に関するもの,@は目に見えない働きというように整理分類して,具体的に対策を講ずることが大切である。この営みこそ教育課程経営のはたらきということができるのである。」(注4)

図4
図4
図5
図5

(7) 動態的な教育課程経営観


教育課程の編成・実施・評価を連続する教育活動の過程として全体的・総合的にとらえ,PDSのマネージメント・サイクルに合致させて経営する。特にPDSの各過程とP−D,D−S,S−P'の間を具体的にどうするかを教育課程の展開に即して考えることである。


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