研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -000-01/080page

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まえがき

まえがき今,新しい教育課程の実施に当たって,知・徳・体の調和のとれた人間の育成を目指しての授業の質的転換が強く叫ばれている。それは,対象とするすべての児童生徒一人一人に目を向けて,個を理解し,個に応じた働きかけを行い,一人一人の児童生徒に確かな学習を成立させる,学習指導法開発への要請である。

当教育センターでは,昭和55年度から3か年の継続研究として,「学習指導の個別化に関する研究」に取り組んでいる。第1年次は小学校の「国語科」と「算数科」の授業を取り上げ,児童一人一人の理解を深め,授業の中に,個に応じた指導をする場と機会を意図的・計画的に設定し,すべての児童に,適切な賞賛や励まし等の“個を認める”働きかけをすることによって学習意欲の向上をねらった研究をまとめた。第2年次は“個の特性や意志を生かす”ことによって、児童一人一人に“喜びや楽しさ,充実感”のある学習の成立を目指す学習指導のあり方を,小学校の「図画工作科」と「体育科」の授業を通して追究してきた。

第3年次の本年度は,中学校の「数学科」と「英語科」の授業を通して、前年度までの“個を認める”働きかけや“個を生かす”働きかけを更に一歩深めて追究し,生徒一人一人により確かな学習の成立を図った。それは,「数学科」及び「英語科」それぞれの教科の特質に立脚した,生徒の実態把握の工夫であり,生徒個々の内面にくい入る働きかけの工夫であり,指導過程改善の試みである。

終わりに,この研究を推進するに当たって,授業の提供・諸調査等を含め,多大の御協力をいただいた研究協力校の校長先生,及び研究協力委員の先生方に,衷心より感謝の意を表する次第である。

なお,各学校においては,本研究の意図を十分に御理解いただき、今後の教育実践に活用されるように願ってやまない。

昭和58年3月
福島県教育センター所長 舟山 昇


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