研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -008/090page

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も要点が相手に伝わるように話すが,「整理するとは,「何のために,どの程度,どんな相手に話すのか」ということをはっきりさせることである。この基本的指導事項として,次のようなことが考えられる。


[1] 場面や相手を考えて話すこと。
[2] 話す目的に応じて,時間,順序を考えて話すこと。
[3] 話題がそれないように話すこと。
[4] 必要に応じてメモをもとに話すこと。
[5] 事実や他人の意見,自分の意見など区別して話すこと。

この言語活動の指導事項の扱いとしては,話すことは音声を媒体として行われるのであるから,相手の人に理解してもらえるような発音,音調,くぎり,強勢,アクセントを習得するように指導することが大切である。実際の指導に当たっては,これらの点に留意しながら,発達段階や生徒の実態に応じて適切に指導していくことになる。また,話すことは必ずしも容易なことでない。話すことにおいていろいろな困難に出会うと,とかく消極的になりがちであるから,積極的に話そうとする意欲を育てるように指導することが望まれる。

〈指導事例〉
This evening Ellen,Mika,Dick,and I went to a concert of the Music Club of our school.
At the concert we talked about music.
Ellen likes rock better than country music.I like country music best.Dick likes classical music best.
Roy did not sing,but he played the guitar best of all the players.
(New Prince English Course 2,Lesson 2)

・本時のねらい

(1) 基本文I like tennis best of all sports.
(2) 本文の要約
(3) 話すことの言語活動に重点をおく。

1.新出語・新文型の導入

2.Oral presentation of the materials.
「話すこと」は「聞くこと」の相互関係において成立するものであるから,教室では教師はできるだけ多く英語を用い,生徒にも話す機会を与える。

2.Questions and answers drill.
文章内容確認と表現力の訓練には,英問英答が大変効果がある。本は閉じたままで,教師が全生徒に発問し,特定の生徒に指名する。これは,生徒の能力に応じて,質問の難易を考慮すると同時に,生徒の発話を大切にし,発音や文法の細部にこだわらないようにする。
(1) How many people are there in this part?
(2) Who are they?
(3) Where did they go this evening?
(4) What did they talk about at the concert?
(5) Do you know country music?
(6) Does Ellem like rock better than country music?
(7) Who likes country music best?
(8) Does Dick like classical music best?
(9) Did Roy sing?
(10) What did Roy do,then?
このように,細かく,順をおってQ and A を行ない,内容を整理し,要点を落とさないように話をすすめていくのである。

4.Pronunciation and reading.
「話すこと」は音声表出であり,新出語の発音練習,テキストの音読は不可欠である。その際,語・句・文それ自体の意味を意識しながら音声化することが大切である。

5.Recitation
基本文や慣用句を含む文は暗唱させるのがよい。教師は日本語で与え,英語で言わせる、その際,単なる棒暗記でなく,内容・表現とも,自分のものになるよう練習させる。

6.基本文の練習強化
基本文を用いて,生徒に自分の自由発想で


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