研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -046/090page

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て,同じ滴数で2・6ジクロールフェノールインドフェノールを無色にすることを確かめ,その滴数を記入する。

[4] [3]と同じ要領で,ビタミンC標準液(100mg%)を10倍に薄めたものを駒込ピペットで滴下し,無色になるのに要する滴数を数える。
この実験により,2・6ジクロールフェノール液を脱色させるまでに要する滴数とビタミンC含有量は反比例することがわかる。

[5] 野菜・果物は,すりおろすか,すりつぶすか,しぼるかの方法でしるにする。

[6] 試験管に2・6ジクロールフェノールインドフェノール液2ccを正確にはかってとり,それぞれの試料を駒込ピペットで滴下して無色にするのに必要な滴数を数える。
試料が着色しているものについては,比較するために水2ccを入れた試験管を用意し,それを並べて同じ滴数ずつ試料を加えていくと終点がよくわかる。

[7] 試料100g中のビタミンCの算出の仕方
ビタミンC(mg)=100× 計算式

〔結果とまとめ〕

ビタミンC含量の比較の実験の一例
試料
方法・結果
ビタミンC100 mg% ビタミンC10 mg% レモン トマト キャベツ
試料調整法 100mg100cc 100mg%を10倍する ガーゼでしぼる つぶしてしぼる すりおろす
試薬2ccを無色にする滴数 4 40 9 21 9
実験によるビタミンC 44 19 44
成分表のビタミンC 45 20 44

ビタミンCの含有量の多少を感じとらせるための簡単な検出法であり,正確な実験による成分表の数値とは必ずしも一致しないものも出るが,ここでは,ビタミンCの多少について確認できればよい。

〔方法〕 その2
    教師の指導資料作成のためのもの

〔用具〕 シャーレ(直径12cm)数個

〔試薬〕 A液:5%硝酸銀液100cc+氷醋酸5cc
      B液:5%アンモニア水100cc

野菜・果物のビタミンCの分布の観察

野菜・果物を2oぐらいの厚さの薄切りにする
   |
   ↓
A液に5〜6分つける
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   ↓
B液にうつし,紙の箱などをかぶせて暗くしておく 1〜2分
   |
   ↓
蒸留水で洗う
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   ↓
ビタミンCと反応した硝酸銀は特異的に還元されて,組織内に銀粒(黒色顆粒)を沈着し,ビタミンCの存在をマークする

〔結果とまとめ〕

写真3〜6のように,ビタミンCの分布しているところは,黒色になるので,どの部分に多く含まれるか。また食品のビタミンC含有量の多少なども見せることができる。写真やスライドにしておいて使用するとよい。

写真3:かき
写真3:かき


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