研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -045/090page

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〔方法〕

[1] ビーカー2個に,水300ccずつ入れ,A・Bとする。

[2] キャベツを50gずつ2組用意し,Aのビーカーには大きいまゝ入れ,Bのビーカーには細切りにして入れる。
写真1のようにして30分おく。
写真1:ビタミンCの流出
写真1:ビタミンCの流出

[3] 次に,上記A・Bのビーカーから50ccのビーカーにそれぞれキャベツをつけた液を50ccずつうつしA´・B´とする。

[4] A´・B´の液の中に,駒込ピペットで,2・6ジクロールフェノールインドフェノールを2ccずつ加える。
同様にして水にも加えてみる。

[5] 水・A´・B´のビーカーの青色の濃淡を比較する。
(2・6ジクロールフェノールインドフェノール(青色)は,ビタミンCによって還元されると無色になる性質をもっている)

〔結果とまとめ〕

写真2:ビタミンC流出の違い
写真2:ビタミンC流出の違い

写真2で見られるように,キャベツを線切りにして水につけたものの液B´は,ビタミンCの流出によって試薬が還元されて無色になっている。キャベツを大切りにして水につけたA´の方は濃い色(青色)が見られる。A´は水に試薬を入れたものとほとんど変らない色をしている。

児童にビタミンCは水に溶けやすいから,キャベツなら葉を1枚1枚はがした大きいままできれいに洗い,細かく切ってから洗ったり,水につけたりしないように指導して「野菜サラダ」の実習に入るが,ときどき水につけたまま放置されている野菜を見ることがある。

上記の方法などでビタミンCの流出状態を示範することにより,印象を深めておけば調理のときに思いおこして,線切りの野菜を水につけておいたりする児童はなくなると思われる。

実験2:食品中のビタミンCの比較

〔目的〕 実験1と同じ試薬(2・6ジクロールフェノールインドフェノール)を用いて,色の変化を観察させることによってビタミンCの存在を確かめさせる。また他の食品と比較することによって,含まれる量の多少を感じとらせる。

〔用具〕 試験管…数本,一般調理器具,駒込ピペット(2cc)数本

〔試薬〕 L−アスコルビン酸,2・6ジクロールフェノールインドフェノール…1万倍液

〔材料〕 野菜,果物など数種

〔方法〕その1

[1] ビーカーに,アスコルビン酸を100mg入れ,水100ccを加えてビタミンC100mg%の標準液をつくる。

[2] 2・6ジクロールフェノールインドフェノールを20mgはかり,水200ccを加えて1万倍液をつくる。

[3] 穴の大きさのほぼ等しい駒込ピペットを数本用意する。2・6ジクロールフェノールインドフェノール液2ccを正確にとり,各駒込ピペットでビタミンC標準液を滴下し


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