研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -019/071page

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 化学反応から原子と分子へ発展させていく段階として,マクロからミクロの対応と統一をはかる学習の指導があって,微視的な物質概念の形成が司能となる。この場合,データがしっかりしていなければ,論理的な思考力は高まらない。そのためには,実験の工夫と指導法の改善がのぞまれる。


( 構想図 1)
( 構想図 1 )



3. 「化学の基本法則」の持導を通して育成できる能力についての基本的な考え

 学習指導要領に,「観察・実験などを通して,自然を調べる能力や態度を育てるとともに・・・。」という目標がかかげられている。
 「自然を調べる能力と態度」とは,生徒に探究の過程をふませることによって,知的な活動のできるはたらきと技能的な活動のできるはたらきを意図しており,このことは「自然を探究する能力と態度」を指摘しているものと考える。
 そこで,この自然を調べる能力や態度を育成する過程において,特に重視しなければならないことは,理科の学習において一人一人の生徒の「問題解決能力」を培い育てることが前提となるといえる。
 ところで,ここにいう問題解決能力とは,次のことができる能力をいう。

(1) 事実を認識する過程を通して,観察・測定,問題の発見,資料の収集,基礎的知識・用語の理解ができる。

(2) 収集した情報を思考する活動を通して,比較・分類,データの解釈,関係づけ,操作的定義ができる。

(3) 新しいものをつくり出す活動を通して,モデル形成,仮説とその検証,新しい考えを出す,実験を計画し工夫してとりくむことができる。

(4) 観察・実験などを通して,操作技術の習得,新しい技術の使用などができる。

(5) 自分で獲得したものを他に伝える活動を通して,数式化,記号化,記録,発表などがで


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