研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -022/071page
4. 指導の基本的な構えと謂面についての一例
(1) 指導法の改善と実験の工夫をこころがける。
1.発見的学習形態とプログラム学習形態をとり入れ,学習の個別化をはかり,生徒の問題解決能力を高めていく。
2.教材の本質と生徒の実態をとらえ,目標行動を分析して,到達目標を設定する。
3.単位時間の中で,生徒が学習できる能力をマトリックス表より考え,本時の目標に到達できる下位目標行動を精選する。
4.指導過程の中に,3で精選された能力と本時の学習内容を適格に位置ずける。
5.生徒に興味・関心をもたせるための演示の工夫をこころがける。
6.実験はできるだけ短時間にできるようにし,思考活動の時間を多くとり入れるよう配慮する。
(2) 学習記録カードを利用して,学習課題ごとに自己評価させていく。
○生徒の判断で理解の程度に応じたチェックをさせていく。
(3) 生徒の学習記録を課題別に分析する。
○教師の行動観察と生徒の自己評価から能力・態度をA・B・Cの3段階で評価する。
○教材内容によって,問題解決能力の観点が変わる。
○つねに,事後テストを行い能カ・態度と関連ずけて分析していく。
(4) 問題解決能カの総合分析を行う。
<集計法とグラフ化>
○生徒記録の分析結果から,Aを3点,Bを2点,Cを1点として集計する。
○問題解決能力の観点別に得点率を出してグラフ化する。<グラフからの考察>
○分析のしかたは,主観的で客観性に乏しいきらいはあるが,生徒の問題に対しての活動の過程が類推できる。
○教材内容と指導法の違いによりその得点率が変化することから,めざす生徒の問題解決能カの高まりが期待できる。
○一人一人の生徒の分析も可能であり,個別指導にも利用できる。
○指導法の改善にも役立つ。
○基本能カの明確化と他との関連力類推できる。
(5) 指導過程の中に評価計画と評価方法・対象を位置づける。
( 展開事例参照 )
○到達目標と問題解決能力の内容をマトリックス表より考えて,学習の意図に従って配列する。
○評価の対象については,個人と全体ともに考慮してチェックする。