研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -060/071page

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(2) OHP・TPに関する関心

 OHPを効果的に利用するための前提条件の一つに,利用する先生の意欲・関心の度合いがあげられる。そこで,先生方のOHP・TPに関する関心の程度を調べてみた。

設問2  OHP・TPに関する関心
 あなたの,OHP・TPに関する関心の程度はどの程度ですか。

<表8> OHP・TPに関する関心
              学校

 項目

 小学校  %  中学校  %
大いに関心がある 15.6 % 18.1 %
関心はある 74.0 % 62.4 %
どちらとも言えない 4.4 % 8.6 %
あまり関心がない 6.0 % 10.9 %
まったく関心がない 0.0 % 0.0 %

[ 考察 ]
 大いに関心ある・関心はあるの二つの項目を合わせると,小学校で88%,中学校で80%になる。これは,小学校・中学校の別なく,OHP・TPに関心をもっている先生が多いことを示している。
 つまり,実際の授業で利用するかしないかは別にして,OHPのもつ機能や特性が教育効果を高めるのに役立つことを認識している先生方が多くいることを示している。


(3) OHPの保有台数

 OHPを効果的に利用するための前提条件の二つめに,学校におけるOHPの保有台数があげられる。今では,学級に一台の割合で設置されている学校もかなり多くみられるようになってきたが,OHPが効果的に利用されるためには,学校におけるOHPの台数と使いたい先生が何人いるかによって決まるわけである。
 OHPの設置基準数量としては,文部省の定める学級数に対する基準数量を目安にすべきであるが,小学校の6学級〜12学級は13台というように決めるのでなく,各学校の学級数と特別教室数の和に応じて,必要な数だけ購入し,活用できるようになることが望ましいという考えに立って,各学校の保有台数を調べた。

設問3  OHPの保有台数
あなたの学校の学級数とOHPの保有台数を教えてください。

 学級数とOHPの保有台数から,次の式でOHPの保有率を求めた。
保有率
保有率は,学級数に対する百分率で,小学校の13学級の場合は,基準数量からいえば,19台まで保有可能なわけであるが,15台しかなくても,13学級に対して15台ということで,100%以上の欄に入れた。


<表9> 学級数に対するOHPの保有率
1.小学校の場合
     規模

保有率

12学級以下 13〜24学級 25学級以上 全 体
100%以上 70.3% 42.2% 43.2% 56.4%
99〜80% 13.6% 9.6% 16.7% 12.9%
79〜60% 7.4% 17.3% 16.7% 12.3%
59〜40% 6.2% 21.3% 16.7% 12.3%
39〜20% 2.5% 9.6% 6.7% 5.5%
19%以下 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
調査校 81校 52校 30校 163校
※小学校の調査校 163 校は,昭和58年度県全体 552 校の 29.5 %にあたる。

2.中学校の場合
     規模

保有率

9学級以下 10〜21学級 22学級以上 全 体
100%以上 79.1% 52.0% 50.0% 63.0%
99〜80% 10.4% 12.5% 20.0% 12.9%
79〜60% 4.2% 16.7% 15.0% 11.2%
59〜40% 2.1% 16.7% 10.0% 9.5%
39〜20% 4.2% 2.1% 5.0% 3.4%
19%以下 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
調査校 48校 48校 20校 116校
※中学校の調査校 116 校は,昭和58年度県全体 244 校の 47.5 %にあたる。


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