研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -061/071page

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※ 学校規模は,文部省の教材基準表の6分類を参考にし,小・中3分類にまとめた。

※ このデータには,今回のアンケート調査を依頼した先生の所属校と昭和57年度と昭和58年度の二か年間に当教育センターの教育工学の講座を受講した先生方の所属校のデータも加えてまとめた。


[ 考察 ]
 100%以上保有している学校は,小学校の12学級以下,中学校の9学級以下の学校に多く,小学校・中学校とも,それ以上の学級数の学校に比べると,約30%以上も高くなっている。
 実際の利用場面を想定すると,学級数以上の台数があれば,使用したいのにOHPがなくて使えないということもなくなるわけであるが,実際問題として,1学年の学級数の2/3以上の台数が各学年に配当されているならば,保有率が100%に達していなくても,台数不足のために使用に支障をきたすことはないだろうと考えて,学級数の60%以上のOHPを保有している学校を<表9>からまとめてみた。

<表10>小学校・中学校別学級数の60%以上のOHPの保有率
規模 12学級以下 13〜24学級 25学級以上 全   体
小学校 91.4 % 69.2 % 76.7 % 81.6 %

規模 9学級以下 10〜21学級 22学級以上 全   体
中学校 93.8 % 81.3 % 85.0 % 87.1 %

[ 考察 ]
 学級数に対し,60%以上のOHPを保有している学校が,小学校で82%,中学校で87%あるので,一部の学校を除いて,OHPの台数不足のため使いたいのに使えないということにはならないと判断できる。
 前述したが,文部省の設置基準によると,学校種別ごとに,学級数によって何台というように決められている。たとえば,小学校の場合,5学級以下が6台,6学級〜12学級が13台,13学級〜18学級が19台となっている。
 13学級の学校では,普通教室と特別教室にOHPを設置しても,19台はいらないかもしれない。しかし,18学級の学校では,特別教室用としては,1台しかないことになる。
 OHPが,授業で効果的に便われるためには,手近にセットされていることが必要であろう。
 したがって,文部省の教材基準表によりながらも,特別教室を含めた各教室に,一台準備しておくことが望ましいと思われる。


(4) OHPの利用状況

 <表7>の教育機器の利用状況からわかるように,OHPは,小学校全体で90%,中学校全体で73%の先生が授業に利用しているし,教育機器の中で利用頻度第一位の機器であることもわかった。また,<表10>から,一部の学校を除いて,OHPは利用に支障をきたさない台数はそろっていることもわかった。
 しかし,これだけからでは,一番多く利用されている機器がOHPであることがわかっても,週に何回くらい,月に何回くらい利用されているのかわからない。それで調べたのが,OHPの利用状況である。

設問40 OHPの利用状況あなたの授業におけるOHPの利用状況はどの程度ですか。

<図1> OHPの利用状況
<図1> OHPの利用状況

[ 考察 ]
 教科によって,本質的に利用頻度の差はあるものの,平均して一週間に一度以上利用している先


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