研究紀要第55号 「学校経営改善に関する研究 第3年次」 -059/089page

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I 創意ある教育課程の評価

 当教育センターが開発した教育課程評価票(試案)は,教育課程をより適切なものに改善するための指針を得る目的から,総合的・客観的な評価を目指したものであり,県下の各小・中学校で幅広く活用されることを意図し,作成したものである。したがってその対象は,教育課程のすべてにわたり網羅してあるため範囲も広く,評価要素や評価観点などの設定も一般的,共通的なものになっている。
 教育課程の評価の対象と観点は広範かつ多角的であるので,各学校で教育課程の評価を行おうとする場合,まず何のために評価を行うかという評価の目的を明確にし,この目的に即して教育課程評価の対象と評価の観点を定める必要がある。すなわち,教育課程全般の改善のために教育課程全般について大まかな観点から評価してみようという場合もあろうし,特に学校の教育目標見直しのために,学校の教育目標に注目して,目標の設定手続きから目標自体の趣旨の徹底の仕方まで詳細な観点を立てて評価してみようという場合もあるであろう。
 各学校がそれぞれの実態や評価の目的に応じて創意工夫を図ることが大切である。



教育課程評価・改善のための資料収集例

1. 学校の実態や評価の目標により,
                  特定の評価対象に焦点を当て重点化を図る方法

(1) 学校の年度当初の重点目標や努力目標に焦点を当てる場合

(2) 評価票による全体的な傾向から特に,
                    落ち込みのある評価対象に焦点を当てる場合


2. 形成的な教育課程評価と資料収集の方法

(1) 児童生徒の学習の結果を改善のための資料に焦点を当てる場合

(2) 指導計画と授業とのズレ,または指導方法の
                   改善のための資料収集に焦点を当てる場合



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