研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -001/076page

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まえがき

これからの学校教育は,「知・徳・体の調和のとれた,人間性豊かな児童生徒を育成する」ことをめざした教育の推進を図らなければならない。

 このような時期にあたり,各小・中・高等学校においては,適切な教育課程の編成を行い,実践に努力を傾け創意ある教育活動が展開されているものと思われる。

本教育センターにおいても,教育の質的転換を図ることを意図し計画的に「教育課程の実施に関する研究」に取り組んできた。

 今年度は,A,「特別活動の評価に関する研究」 B,「内燃機関の性能試験」 C,「家庭科用実習プログラムの開発」 D, 「診断と治療を取り入れた作文指導」 E, 「器械運動における小・中・高等学校の一貫性の構造化と指導の在り方」の五分野について研究を進めてきた。

 小学校特別活動の「特別活動の評価」では,特別活動の評価が,ともすれば表面的・形式的になりやすいという現状にかんがみ,特に,学級会活動の評価に焦点をあて,具体例をあげながら考察を加えた。

 中学校技術・家庭科「内燃機関の性能試験」では.中学校における熱機関教育の立場から,内燃機関の基本的な熱カ学的性能を求める過程について,計測の方法並ぴに性能計算のすすめ方を研修の手引きとしてまとめたものである。

高等学校家庭科「家庭科用実習プログラムの開発」では,家庭科「食物」領域におけるコンピュータの活用をはかるため,栄養所要量・栄養指数の計算,献立表の栄養計算の教材用プログラムを開発し,その実践を試みたものである。

 小・中学校国語科「診断と治療を取り入れた作文指導」では,指導過程における「診断と治療」の具体的な手順・方法を事例を通して考察を加えたものである。

 小・中・高等学校保健体育科「器械運動における小・中・高等学校の一貫性の構造化と指導の在り方」では,器械運動の領域について,小・中・高等学校の学習指導要領並びに指導書及び解説書に基づき,技能内容の小・中・高等学校の一貫性を明らかにするとともに,その学習指導と評価についてまとめたものである。

 以上が今年度の研究主題及び研究の概要であるが,これらの課題については,学習指導要領の趣旨をふまえて,ゆとりと充実をめざす各教科の課題解決の手がかりを提示し,参考に供するため発行したものである。

 おわりに,本紀要の作成にあたって,適切な資料を提供してくださった各小・中・高等学校と協カ員の先生方に,心から感謝の意を表する次第である。

昭和60年3月

福島県教育センター所長  舟山 昇


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