研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -017/076page
(5)評価の観点は,学校の教育目標や特別活動の目標に照らして,より綿密な分析を加える。
(6)評価を小刻みに繰り返して積み重ね,一人一人の変容を着実にとらえていく,継続的な取り組みを工夫する。
8.おわりに
特別活動の指導においては,人間性豊かな児童を育てるために,各教科や道徳のように体系的な教科書や資料を使って指導するのではなく,児童が集団活動を通して,いかに自主的,実践的に行動できるように指導するかが重要である。
そのため,その計画 ― 方法 ― 評価 ― 改善といったものは,教師の創意工夫によって大きく変わってくる。
評価は,最終段階に位置付けられやすいが,計画,方法の段階でもそれを考えなければならないし,重要なことでもある。そして,本当に児童のための指導を考えるならば,評価がもとになるものであるとも考えることができる。例えば,指導計画を作成する場合でも 「どういう児童に育て上げていかなければならないのか。児童に具体的にどのような方をつけさせなければならないのか。そして,それをどのように確認したらよいか。」,すなわち評価まで考えて作成しなければ,適切な指導計画とはいえないであろう。このように考えたとき,改めて評価の重要性が理解できる。
始めに述べたように,特別活動の評価は容易でないといわれているが,特別活動の指導の充実も含めて,評価の実践が数多くなされることを期待するとともに,ここに取り上げた研究はあくまでも―例にすぎないので,今後なお―層研究を探めていきたい。
最後に,資料を提供していただいた学校,調査に協カしていただいた先生方に対し,深く感謝するとともに,厚くお礼を申し上げたい。
<参 考 文 献>
・小学校指導書 特別活動編 文部省
・改訂小学校学習指導要領の展開 特別活動編 文部省
・小学校特別活動指導資料
児童活動指導上の問題 文部省
特別活動の評価 文部省
・新版特別活動指導の手引 福島県教育庁義務教育課編
・特別活動読本 教育開梵研究所
・評価活動読本 教育開発研究所
・小学校特別活動の指導と評価 時松茂親編 図書文化
・特別活動の新展開3
子どもが生きる学級会活動 飯田芳郎,宇留田敬―編 明治図書
・昭和58年度研究報告言 特別活動の評価 福島県教育センタ―編