研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -045/076page
ピュータ操作を行わない利用法であったが,コンピュータの働きに興味を示すなどコンピュータを身近な存在にする上で効果的であったようだ
また,担当教師からは,栄養所要量の計算は興昧を引きにくい学習内容であるが,コンピュータの活用により授業に活気が生じた。さらに献立の栄養量と家族の栄養所要量の平均との差がでてくるので,栄養所要量の意義を明確にすることができた,などの感想があった。
5.おわりに
今後は生徒の進路に合わせてすべての高校で広く情報処理教育を導入する必要があることをふまえて,家庭科の食物領域におけるコンピュータの活用をテーマに研究を進め,栄養所要量,栄養指数,献立表について,OCRを利用したバッチ処理とTSS会話型処理のプログラムを開発した。
次に,普通科の「家庭―般」と家政科の「食物」の授業の中でバッチ処理による活用を試みたところ,学習内容に対する生徒の興味・関心が高まり学習効果があがったという評価を得た。また,商業科の生徒実習でデータ処理としてTSSによる栄養計算を行い運用に支障がないことを確認した。
さらに生徒はディスプレイに表示される画面にしたがって実習できることや,データの入力などの操作が容易なことから,興味を示し意欲的に実習に取り組んでいた。
今後は来所による生徒実習,教員研修等でこのプログラムを活用していただき,より使いやすくなるよう漸次改良していきたいと考えている。
参考文献
○第三次改定日本人の栄養所要量 第一出版株式会社
○研究紀要第10集 愛知県尾張情報処理教育センター
○家庭科・生活科の実習教材について 青森県情報処理教育センター
○四訂食品成分表 全国高等学校長協会家庭部会
○新版食物 教育図書株式会社
○会社別・製品別市販食品成分表・最新版 女子栄養大学出版部