研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -073/076page

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  ◎予想されるめあて
○開脚の腕立て跳び越しができる
○閉脚の腕立て跳び越しができる
○跳び箱を高くして跳ぶことができる
○方向を変えて跳ぶことができる

<記録 2>
・めいめいのめあてをグループノートに書き入れる。〔グループノート〕
○ グループで互いに意見を出し合って,めいめいのめあてが高すぎないか,あるいは,もっと高めてよいのではないか教え合うようにする。
○グループの動きを使って,めあての決め方と練習のすすめ方を理解させる。
○高さを上げることよりも,「どんな跳び越しができるか」に目を向けさせる。

<観点 3>
自分の力にふさわしいめあてを決めることができたか。〔観察〕
 
(以下略)  

(注) 評価活動については特にわかりやすくするために< >で囲んで示している。

動を単元計画の中に書き人れ,指導欄では,教師がやるべき評価活動としてどんなのがあるかを取り上げる。この評価活動のねらいは,導入の段階では,「学習の進め方」を十分理解させることに重点をおいている。特に,学習者に自己評価や相互評価の仕方を理解させておくように留意することが大切である。展開の段階では,まず,「今もっている力に応じて跳び箱運動を楽しむ」ために,自分の力に合った課題を決めているかを把握し,その結果に基づいて必要な助言を与えることができるような評価活動をしていく過程を示している。

 このような評価の欄を取り入れた単元計画を作成することにより,その単元の特性や構造を理解することができ,授業の中から,多くの資料を収集し分析することによって,器械運動の特性に基づいた楽しさにせまる学習指導が可能になるのである。

○ おわりに

 学習指導要領,指導言及び解説書をよりどころに,小,中・高等学校の一貫性を明らかにしようと試みた。学習指導要領が,学校体育の中で生涯を通じて運動を実践する態度や能力を養うことを目標としていることから,効果的な学習指導は,教師が一方的に教えるのではなく,一人一人の児童生徒に,自らの努力によって運動の楽しさ,喜びを味わわせるのが大切である。

 そのためには,学習指導の計画 ― 学習指導及び評価 ― それに基づく改善(フィードバック)というサイクルを,児童生徒や学校の実態に則して,学校や教師が創意工夫し,指導にあたることが大切である。また,児童生徒の発達性を理解し運動の系統性や発展性を,小・中・高等学校を通して一貫的にみた上で年間計画や単元計画を作成し,指導にあたることが一層重要になるであろう。今後も,小・中・高等学校一貫性の見通しをもった学習指導が適切になされるよう他領域の研究にも取り組んでいきたい。

参考文献

(1)小学校指導書  体育編         文部省
(2)中学校指導書  保健体育編       文部省
(3)高等学校学習指導要領解説  保健体育編 文部省
(4)初等教育資料 No.345          東洋館
(5)学校 体育の教材研究           大修館
(6)片学高校 体育授業の研究         大修館
(7)休育科教育法入門            大修館


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