研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -072/076page
ができる。
展開の段階では,運動技能やマナーなどの習得の程度や問題点・困難点などを評価する。終末の段階の評価は,学習指導のねらいや内容の重点がよく押さえられたものでなければならないとしている。
評価は,単元ごとにするのを原則とするが,まず,単元計画の中で,いつ,どのように評価するかということを具体化することが大切である。
表8は,表7の跳び箱連動の指導過程をもとに,作成した小学校第4学年の「単元計画とその評価」の一部である。その内容は,学習者自身が行う評価と教師の行う評価を分けて表記し,学習の欄では,自己評価や相互評価など学習者が行う評価活
表8 単元計画の評価の例
3.跳び箱運動の特性と4年生の子ども \
1.単元名 跳び箱運動 小学校第4学年
2.目 標
(1)腕立て跳び越しが,足を開いても閉じても調子よく跳ぴ越すことができるようにする。
(2)自己の能カに適した課題をもってお互いに助け合いながら根気強く練習できるようにする。
(3)役割を分担し,能カに応じた用具の使用の仕方をエ夫し,安全に運動できるようにする。
4.指導計画 (略)
5.準備物 /
6.過 程(学習の指導・評価)
学習(児童の活動) 指導(教師の活動) 備考 導 入
(1次)
(15分)1.学習の計画を立てる。
(1)跳び箱運動のねらいを知り学習のめ
あてを決める。
(2)グル―ピングと役割分担をする。
(3)時間配分や用具の使い方について知
る。○ 単元の目標を提示する。
○ 教師や児童の示範,コンセプトフィル
ムなどを見せ跳び方を理解させる。
○<観点 1>
単元のねらいがわかり,学習の見通し
をもつことができたか。 (観察)コンセプトフ
ィルム(2次)
(25分)2.自分のカにあっためあてを決める。
(1) 自分のカを確かめる。
○ グル―プの高さを決めて,いまどんな跳ぴ越し方ができるかやってみる。
○ 跳ぶ方向や,高さを変えてやってみる。
<記録 1>
・ どんな跳び方ができたか記録しておく。 〔グル―プノ―ト〕
(2) 自分のカにあっためあてをもつ
○ グル―プで意見を出し合ってお互いにめあてをきめる。○ めあての決め方の意味が,子ども達によく理解されているかどうかを観察し助言する。
<観点 2>
・ いまできることを確かめているか。
(他人をまねて無理なことをしようとし
ていないか。) 〔観察〕
○ めあてを2つあるいは3つ考えるように助言する。特に能カの劣る子どもは,そのことを考えさせるようにして励ます。跳び箱6
マット12
踏み切り板12
グル―プノ―ト