研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -040/053page
易に行われていると考えられる。
○ 学校の教育目標が達成されつつある様子が,児童生徒―人―人の言動に表われてきているかどうかということについては,いくつかある教育目標のうち,特定のものについては表われてきていると評価している教師が多い。
これは,教育目標の諸教育活動への具体化と実践が,教育目標全体にわたって計画的に調和を保ちながら行われていないためではないかと思われる。
各校では,学期末とか学年末に教育目標の達成度の評価が行われているが,その評価方法についても,適切な評価の観点を設定して,―人―人の教師の評価の結果を学校全体で集約し,学校として納得のいく評価反省としてまとめ上げることがまず大切であろう。
そしてその結果を,次年度の教育目標の設定とその具現化にどう生かすかの検討を,P-D-S-P',―の考え方を中心に据えて,慎重に進められなければならないと考えるのである。
2 今後の課題
本年度は,県下小・中・高校,合計190校(無作為抽出),調査人員592名の実態調査をもとにして,教育目標に対する意識の程度を探ると共に,各校が,教育目標を達成するという目的をもって,教育過程をどのように編成し,それに基づいて児童生徒の教育活動をどのような視点で実施し,更に教育目標が,児童生徒に具現されている姿をどう評価しているかなどについて,その実態を分析した。
その結果,前述したように数々の問題点を明らかにすることができた。
今後は,教育目標を,学校の教育活動全体を通して達成する方法について,前の研究の構想でも述べたが,主として教育目標の構造性に焦点をあててまとめていきたい。
そのために,本年度は小学校14校,来年度は中学校14校に対して実践例を依頼し,各事例を検討したうえで―般化を図り,61年度の研究紀要で紹介したいと考えている。
そして各校が,自校の教育目標の検討から,教育課程の実施・評価そして改善に至る,いわゆる教育目標の循環過程の道筋を具体的に把握し,教育実践に生かすようにすることを願っている。