研究紀要第63号 「教育課程の実施に関する研究」 -067/093page

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出回り等により,従来ほど家庭での縫製技術が必要でなくなったといえる。このような現状を考えるとき,消費者として,被服材料・被服構成などの基礎知識の習得が必要になってくる。
 そのための家庭一般の指導法として,これらにかかわる実験を多く取り入れることが特に期待される。

5.家庭一般「衣生活の設計・被服製作」の指導
(1)指導内容と構造
 「衣生活の設計・被服製作の目標は,次のように示されている。
 家族の日常の衣生活に必要な被服に関する基礎的知識と技術を習得させ,衣生活を合理的に営み,その充実向上を図る能力と実践的態度を育てる。

 この目標は,「家族の日常の衣生活に必要な」とあるように,範囲と何を育てるべきかを述べており,目標を達成するため次の内容を学習する。
 ア.被服の機能と着装
 (ア)被服の機能
 (イ)日常着の着装
 イ.被服材料の機能と選択
 (ア)被服材料の種類と性能
 (イ)被服材料の選択
 ウ.家族の被服管理
 (ア)衣生活の計画
 (イ)家族の被服整理
 エ.日常着の製作
 (ア)被服の構成とデザイン
 (イ)製作の計画
 (ウ)縫 製
 以上のように内容は「衣生活の設計」と「被服製作」に分けてあるが,四つの指導事項を相互に関連させて取り扱う。
 生徒が各自の生活に適する学習を自ら学びとり,それらを実際の生活の中で実践し,衣生活の経営に興味と関心を示して,実践意欲を高めるよう指導する必要がある。
 以上のことを考慮し,「衣生活の設計・被服製作」の構造は,目標に照らし次のようになる。

衣 生 活 の 充 実 と 向 上

           

主  体  的  な  衣  生  活

           

実  践  的  な  衣  生  活

           

知 識 ・ 技 術 ・ 意 欲

 

 

 

被服の機能と着装
被服材料の性能と選択
家庭の被服管理
日常着の製作
 以上のように,家庭経営の立場から,衣生活に必要な四つの内容を学び,よりよい衣生活が営めるようにするのである。

(2)「家庭生活の設計・家族」との関連 家庭経営の基礎として,「家庭生活の設計・家族」をとらえ,関連を考えると次のようになる。
「衣生活の設計・被服製作」と「家庭生活の設計・家族」との関連
 つまり、家庭生活における人間(家族)・物資・金銭(家庭経済)・時間・労カ(家事労働)等と有機的な関連において理解させることであり、以上のように線で結ぶことにより、関連をみると内容の取り上げ方が明確になるのである。
 次に,生徒実験を主とした学習指導と学習のまとめに使う実験記録表について数例あげる。


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