研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -000-01/075page

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ま   え   が   き

今日各学校においては,それぞれの学校の教育目標を,いかに,教育課程に位置づけ,教育諸計画に具体化して,実際の教育活動を展開するかを真剣に考え,熱心な取り組みがなされていることは,誠に喜ばしいことである。

昭和59年の当教育センターの調査によれば,学校の教育目標が,実際の日常の教育諸活動の一つ一つに生かされていないという反省がみられる。教育目標を日々の教育実践にいかに浸透させるかを検討し,具体的な手だてを講ずることが,いま,各学校に求められている大きな課題と思われる。そこで,学校の教育目標を具体化することの重要性をふまえて行なった,この実践的研究の結果は,各学校が設定する教育目標を単なるスローガンに終わらせないためにも,また,具体化した方策と,日々の実践とを対比させ,評価しながら教育目標の実現を図っていくためにも,大きな意義があるといえよう。

当教育センターは,このような教育現場の今日的課題に着目し,昭和59年度以降,3か年にわたって,「学校の教育目標と教育課程に関する研究」を研究主題として取り上げ,学校の教育目標と教育課程を有機的・構造的に結び付け,実際の指導の実践や児童生徒の生活そのものに教育目標を生きて働かせることを目指し研究を進めてきた。

第1年次は,本研究の基盤として,学校の教育目標具現に関する理論の研究と県内小・中・高等学校教員の教育目標と教育課程に関する意識等の実態調査を実施した。その研究結果は,研究紀要第59号で報告したところである。

第2・3年次にあたる昭和60年度と本年度は,これらの研究を基に,県内小・中学校より研究協力校を依頼し,実践的研究をすすめた。教育目標の検討,教育目標の授業など実践指導までの具体化,そしてその達成度評価の計画と実施等,教育目標の具現化にかかわる実践的な研究を進めてきた。

本紀要は,これらの研究をまとめたものであり,具体的な計画・実践例が主な内容であるので,各学校においては活用しやすいものと思われる。本資料が各学校での教育目標の具現を目指す,創意に満ちた学校経営の一助となることを心より期待するものである。

最後に,本研究の推進にあたり,各研究協力校の先生方の特段の御協力に対し,ここに改めて感謝の意を表するしだいである。

昭和62年3月

福島県教育センター所長   折笠 常弘


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