研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -001/075page
要 旨
教育目標の具現化については,各学校の実践的研究も多く,その成果についての報告も多いが,その反面,学校現場における指導の実際をみるとき,教育目標と教育実践の間には,有機的関連が図られていないのではないかとか,教育目標が学校の置かれている現実から遊離した教育理念の表明にのみ止まっているのではないかなど,教育目標が学校の教育活動の中に生きてはたらかないことに対する問題点の指摘も多い。
本研究は,これらの教育目標具現化に関する学校現場の持つ問題点を探ると共に,教育目標を日常の教育活動全体の中に具体化し関連づける方途を見出し,各学校の教育目標具現化のために役立てようとしたものである。
研究内容は,要約すると次の通りである。
(1) 教育目標設定過程での問題点の追求のし方に関する事例(小1例 中1例) (2) 教育課程の編成に際しての教育目標の関連づけに関する事例(小6例) (3) 校内現職研修活動内容と,教育目標の関連づけに関する事例(小1例) (4) 各教科の指導計画や授業と,教育目標の関連づけに関する事例(小1例 中1例) (5) 道徳の授業と,教育目標の関連づけに関する事例(小1例) (6) 特別活動の指導計画と,教育目標の関連づけに関する事例(小1例 中2例) (7) 生徒指導計画と,教育目標の関連づけに関する事例(小1例 中1例) (8) 教育課程外の諸活動と,教育目標の関連づけに関する事例(中1例) (9) 教育目標の理解を深める手だて及び評価に関する事例(小2例 中1例) I 研 究 の 趣 旨
本研究は,既に発刊した「学校経営改善に関する研究」の一環である。
「学校経営評価に関する研究」(紀要36号)及び「教育課程の経営に関する研究」(紀要45,50,55号)に続くものである。
これらの研究は,昭和53年度からの3か年と,昭和56年度からの3か年を,それぞれ一区切りとして集成したものであった。そしてその研究の内容は,学校経営の中核としての教育課程について経営的な発想に基づき,計画(P)―実施(D)―評価(S)―P′(更新計画)の,いわゆるマネージメントサイクルの考え方をとり入れることにより,教育課程経営のあり方を追求したものであった。
さらにその中で,今日の教育現場の教育課程経営の課題ともいえる,教育課程の評価管理のあり方にとり組み,実用的な“教育課程評価票”を開発し,各学校の実状に即して自校化を図りながら活用するように研究紀要55号を通じて提案した。
教育課程の評価は,教育課程の経営すべてにか