研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -018/075page

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4  教育課程の編成における,教育目標と道徳の目標との関連づけについて
 
(1) 問題点
「教育課程の編成にあたって,道徳の目標に学校の教育目標との関連を考えているか」という設問(N=314人)に対して「十分考えている」という回答が約58%,ある。以上のことから,教育目標と道徳の目標との関連は必ずしも十分図られていないと言える。
 しかし,「少しは考えている」という回答を加えると95%以上になるので,大部分の学校は教育目標と道徳の目標との関連づけの必要性は認めているものと理解できる。
 「考えていない」という回答に対しての「関連づけを考えていない理由は何か」という設問では,「関連を考える必要があると思うが手順方法がわからない」という回答が多数を占めている。
 これらのことから,教育課程の編成において教育目標と道徳の目標との関連づけの必要性については大部分の教師が認めているが実際には必ずしも十分に関連づけが図られていないのではないかと考えられる。
(2) 基本的な考え方
 道徳の目標と教育目標の表現が似ていたり,重複する部分が非常に多い。このことは,内容的にお互いに共通する部分があることを示している。そのために,意図的に関連を図らなくても,道徳の目標を達成すれば教育目標も達成されるだろうという安易な考えがあるのではないかと思われる。
 以上のことから,道徳の目標に教育目標を関連づけることは当然のことと考えられる。しかし,現場の学校においては,この考え方に甘さがあることは上記の設問結果からも明らかである。次の点をおさえて関連づけを図る必要があろう。
1) 教育目標と道徳の目標を適切に関連づけるために実態調査を行い,関連づけの視点を明確にする。
2) 教育目標と道徳の目標の関連づけを図る手順をできるだけ具体的にする。
 
(3) 教育課程の編成に,教育目標と道徳の目標を関連づけた例
  1) 道徳の指導内容と教育目標との関連及び道徳性の実態

道徳の指導内容と教育目標との関連及び道徳性の実態

1.  調査人員
(1) 教師…全員
(2) 保護者 学年50名ずつ計300名
(3) 性格・行動,自己診断検査 4年生児童190名
2.  調査内容
  • 教師,保護者に徳目28項目を文章表現し,よい点,劣る点をそれぞれ3つずつ選んでもらい集計分析した
  • 性格・行動自己診断検査
  • 3.  実態の見方
     よい○
     劣っている△
     特に多かった項目◎ ▲

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