研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -024/075page
6. 教育課程の編成における,教育目標と児童活動の目標との関連づけについて
(1) 問題点
「教育課程の編成にあたり,特別活動の目標に学校の教育目標を関連づけて考えているか」という設問に対して,「十分考えている」という回答が約52%(N=314人)であり,満足のいく結果とはいえない状態である。また「特別活動の指導で,その内容に学校の教育目標を関連づけて考えているか」」いう設問に対して「児童活動で考えている」「児童活動と学級指導で考えている」「児童活動と学校行事で考えている」(N=314人)などの回答があったが,その平均は,わずかに約7%である。しかし回答の中に「特別活動の全内容で考えている」というのが約48%あることから,総合的に考えて約半数の教師が児童活動と教育目標を関連づけて考えているといえよう。
児童活動は,特別活動という領域で統一された目標をもちながらも,独自の目標と内容とをもっている。それ故,児童活動の目標・内容と教育目標との関連を明らかにして,今行っている児童活動の授業が教育目標と,どうかかわりその達成のためにどう寄与しているかを自覚しながら指導することが大切である。そのためには,教育課程の編成において,児童活動の目標と教育目標とを具体的に関連づけることが必要であろう。 (2) 基本的な考え方
児童の自発的,自治的な実践活動を通して,健全な自主性や豊かな社会性を育て,個性の伸長を図る児童活動は,学級会活動,児童会活動クラブ活動の3つの内容から成っており,ともに集団活動により「なすことによって学ぷ」という原理を実践上の基礎としている。したがって,人間性豊かな児童の育成と人間尊重の精神に徹した教育の実現を図ることを基本的なねらいとする教育目標の達成のためには,自発的,自治的な実践活動の展開を重視する児童活動に期待する面は大きいといえる。 それ故,児童活動の目標,指導計画,実践過程を,学校の教育目標の具現化という視点からとらえ,次のようなことをおさえて,教育課程の編成に当ることが必要であろう。 1) 教育目標,年度の重点目標の内容分析により,児童の実態に合う具体的目標におろす。 2) 児童活動の目標(ねらい),内容と1)の具体的目標との関連を図るとともに指導計画へも位置づける。 (3) 教育課程の編成にあたり教育目標と学級会活動の目標とを関連づけた例 1) 教育目標と学級会活動の目標との関連