研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -023/075page

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も話し,目的を持たせて指導したので,目的達成の意識が感じられた。

 (2) 異学年集団を編成して演技をすることとしたので,上学年の児童が下学年の児童を指導したり,世話をしたりする姿が見られた。

 (3) 4年生の児童が,体育の時間に,市民歌に振り付けを創作することを通して,協力し合いながら完成させる喜びを味わわせることができた。

 (4) 4年生が創作した振りつけを小集団に指導する場面で,高学年の児童も素直に聞く姿が見られた。

 (5) 「南極物語」の演技では,上学年から下学年へ,放射状に,しかも波状に前者の動作を受け継いでいくものなので,前者との連携の大切さを感得し,心を合わせることができた。

4. 実施しての反省

 「力を合わせる」「協力的な態度」の育成の評価は,観察や日記を通すなどが中心で,数量的な評価はできなかったが,効果が見られた。

 指導する教師が教育目標具現化のために,今,ここに,この活動があるのだという認識をもって当たることは,本課題にとって不可欠の条件である。また,教師側の認識にとどまらず,児童にも教育目標との関連を知らせ,意識化させることも大切な条件である。

≪実践例2≫
1. 種目名 3.4年団体「おやすみなさい」
2. ねらい
(1)  本校の教育目標から
  • きまりを守りカを合わせる子供(教目2)
  • 最後までやり通す子供(教目3)
  • (2)  運動会の目標から
  • 競技や演技を最後までやり抜く気カの充実を図るとともに,運動の楽しさを味わわせる。
  • 規律ある態度,協力的な態度,責任ある態度,公正な態度など集団生活に必要な態度を身につけさせる。(教目3)
  • (3)  種目の目標
  • きまりを守って競技し,最後まであきらめず,運を伴う競技の楽しさを味わわせる。
  • 3. 到達の度合い

     (1) 着替えたときの服装のきまりが難かしかったが,勝敗にこだわらないで,ていねいな着方をしている姿が見られ,反省会でも好評であった。

     (2) 裏返しになっているジャージが並んでいる中から自分のものを探すため,先着の者と大差のつく場合もあったが,最後まであきらめない姿が見られた。

    4. 実施しての反省

     きまりをみんなで守る姿を指導の重点としていたので効果が見られた。この期の児童の種目として適切であった。

     (5) むすび

     各学校では,教育課程の編成の際に,学校行事全体の目標と教育目標との関連を図ることの必要性は認めている。しかし,実際に学校行事を進める場合は,行事内容そのものの目標にとらわれて教育目標を見失いがちになる実情にあるように思われる。

     そこで,教育課程の編成の段階で,学校行事の目標を達成することが即教育目標の達成につながるような目標の関連づけが望まれる。

     本事例では,学校行事「運動会」の計画立案に際して,次の2点を大切にしている。

    1)  教育目標を達成するための学校行事「運動会」とする。すなわち運動会の目標を達成することが即教育目標の達成に直結するような運動会を企画する。
    2)  目標達成のための内容を精選する。

     この2点の配慮により,教師,児童ともに,教育目標の達成を志向しながら運動会を遂行することができたものと思量される。

     なお,これに目標到達度の評価の手だてが加えられれば,より充実した行事の運営が期待できる。

     学校行事は,各学校の独自性や創意を生かし易い領域であることから,教育課程の編成に際しては,教育目標を達成するための有効な行事内容を精選することが強く望まれる。


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