研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -046/075page
4) 学年通信などでの連絡例
(4) むすび
教育目標を広く理解させるため各学校で種々の方法が工夫され努力が続けられていると思う。
しかし,多くの場合は,児童生徒への理解だけにとどまり,保護者に対しては,理解のための手だてが十分にはとられていないようである。
教育目標を達成するためには,まず第一に,指導者である教師と主体者ともいえる児童生徒が教育目標を正しく理解していなければならないのはもちろんであり,そのため,教育目標にかかわる自校の問題点を把握し,よりよい方策を講じていかなければならないのはいうまでもないことである。
次に,忘れてならないのは,保護者が教育目標を理解するということである。
本事例は,各学校の実践と比較した場合,必ずしも目新しい方法とはいえないかもしれない。
しかし,随所に見られる保護者へ焦点をあてた方策と努力は,かなり有効であると考えられる。
特に,家庭での努力事項の明確化,学年通信に目標理解のための欄を設定していることなどである。
このように手だてを工夫し,学校側から一方的に理解を強要するだけでなく,教師,保護者,児童生徒の三者が教育目標の理解に向けて,話し合う場を設定し,つねに教育目標を意識していくことに努めれば,教育目標具現の大きなカとなるものと考えられる。