研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -062/075page

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5. 教育目標と学級会活動の関連づけについて

 (1) 問題点

 「特別活動の指導で,その内容に学校の教育目標を関連づけて考えていますか」という設問に対して,「特別活動の全内容で考えている」と回答した教師は約46%(N=140)で,他に「学級指導と学校行事で」約11%。「生徒活動と学級指導で」1O%と,何らかのかたちで,その関連性を考えている教師が約50%いることがわかった。しかし,2%の教師は,「考えていない」と回答している。その理由は,“特別活動の内容には,教育目標の内容が含まれているから”としている。

「生徒活動と学級会活動」との関連については,直接の設問がないのではっきり把握することはできないが,これらの結果から推察すると,学級会活動の際,教育目標を意図的に関連づけて指導している教師は限られていると考えてもよかろう。特に“まったく考えていない”という教師がわずかだが,多少なりとも“いる”ということは,教育目標を,全教育活動の中で意図的,計画的に具現化することを考えた場合,問題は大きいといわなければならない。

 (2) 基本的な考え方

 生徒の望ましい集団活動を通して,自発的,自治的な実践活動の中に,健全な自主性や豊かな社会性を育て,個性の伸長を図る生徒活動は,学級会活動,生徒会活動,クラブ活動の三つの内容から成っている。ともに集団活動により「なすことによって学ぷ」という原理を実践上の基盤としている。したがって,人間性豊かな生徒の育成をねらいとする学校教育の目標達成のためには,生徒活動に期待する面は大きいといえる。それ故に,生徒活動の目標・内容と,教育目標との関連を明らかにして,現在行っている学級会活動も含む“生徒活動”の授業が教育目標とどうかかわり,その達成のため,どう寄与しているかを“自覚”することが大切であると考える。

 そこで,次のようなことをおさえて,教育目標と学級会活動との関連をはかって実践していくことが必要であろう。

1)  教育目標を重点目標,努カ事項,実践事項へ具体化する。
2)  実践事項まで具体化された教育目標を特別活動の重点目標へ具体化する。
3)  特別活動の重点目標まで具体化された教育目標を生徒活動の目標へ具体化する。
4)  生徒活動まで具体化された教育目標を学級会活動へ具体化する。
5)  学級会活動の指導過程の中に,教育目標を明確に位置づけ,授業を実践する。

 (3) 教育目標を学級会活動に関連づけた例

教育目標を学級会活動に関連づけた例


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