研究紀要第72号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第1年次」 -043/126page

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I 研究の趣旨

 教育活動の中軸である授業は,教師の教授活動と児童生徒の学習活動が教材を媒体として,互いに均衡を保ちながら有機的に作用し合って初めて生き生きと展開しその効果を上げることができる。 ところで,これまでの教育は,どちらかといえば知識偏重の教育の傾向が強かったといわれている。しかし,この傾向から脱却するための多くの試みがなされていることも事実である。県内の公立小・中学校が設定している昭和61年度の研究主題によると,「意欲的」,「自ら学ぶ」,「自主的・主体的」,「個を生かす・個に応ずる」等の表現が特に多く見受けられる。このことは,教育の根底をなす児童生徒理解に立った指導の必要性を物語るものである。そこで,学習指導において児童生徒一人一人の個性に目を向けた教育をすることが重要と考える。

 折しも昭和61年10月に,教育課程審議会は「教育課程の基準の改善に関する基本方向について(中間まとめ)」を発表している。「中間まとめ」では,21世紀に向かって,国際社会に生きる日本人を育成するという観点に立ち,「国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し,個性を生かす教育の充実を図るとともに,自ら学ぶ意欲をもち社会の変化に主体的に対応できる,豊かな心をもちたくましく生きる人間の育成を図ることが特に重要であると考えた。」としている。

 これらの点を踏まえて,本研究では学習指導の改善の視点から,個性重視の原則に立ち基礎的・基本的な内容を身につけさせる過程を通して,更にそれを基盤としながら一人一人の個性を生かし,伸ばす学習指導の在り方を追究することにした。

II 研究計画の概要

 本研究は,昭和62年度から3年計画で行うものであり,年次ごとの研究は次のような計画に基づいて進める。

 3年間の研究の進め方は図 1−1の手順で行う。
    <図 1−1> 研究の手順
<図 1−1> 研究の手順


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