昭和63年度 研究紀要 Vol.18 -000-01/137page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

まえがき

 平成元年を迎えました。わが国の教育界にあっては,臨教審・教課審の答申を受けて教育課程の改訂 が大詰めを迎えております。ご承知のとおり改訂の基本理念は,「豊かな心をもち,たくましく生きる 人間の育成」,「自ら学ぶ意欲をもち,社会の変化に主体的に対応できる能力の育成」,「国民として の基礎的・基本的内容の重視と個性教育の充実」,「国際理解を深め,わが国の文化と伝統を尊重する 態度の育成」このことにあります。これらは,21世紀を迎える教育の在り方であり,私たち教育関係者 の教育実践上の課題でもあります。

 本教育センターでは,教育に対するこうした要請に応じ,広く全国的な視野にたつとともに,本県における教育上の課題や,実践上の諸問題をとりあげて研究し本県教育の充実と向上に資するため,下記のようなさまざまな研究主題にとりくみ追究してきた内容を紀要としてまとめてみました。

 まず,学校経営部では,「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究」の第2年次研究 内容として,「自己啓発を促す校内研修のあり方・すすめ方」を追究し,前年度実施の調査研究結果か ら現在各校現場の校内研修推進上,最も改善充実が必要と思われる課題11に対しての改善方策を試案と して提示してあります。

 つぎに,学習指導部は「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究」の第2年次であり,研究協力 校との実践研究を通して,「基礎的基本的な内容を身につけさせる過程を通して,児童生徒一人ひとり の個性を生かす学習指導のあり方」を追究した内容を提示しました。

 さらに,科学技術教育部では,「情報活用能力の育成に関する研究」の第1年次ですので,情報活用 能力のとらえ方,情報活用に関する基礎調査結果と作成した自己評価表・育成モデル等の構想を中心に, 具体的な授業実践例も載せまとめられています。

 また,教育相談部では,「事例を通した教育相談の進め方に関する研究」第1年次として「予防的な 指導援助の仕方」に焦点をあて,いじめ・家出・不登校・不良交友・暴力等に対してどう指導援助すれ ばよいのか,事例をあげながら,予防的な指導援助の要点と基本的な対応の仕方を提示しました。

 以上,4つの研究内容を合本として刊行することにしました。本年度の紀要内容は,即実践的な中味 だけに,各校の諸教育活動にそのまま役立つものと考えております。ご活用を願います。尚,本研究の 推進にあたり,ご多忙の中,多大のご尽力を賜わりました研究協力校及び研究協力員の方々,そして関 係諸機関の方々に心からの謝意と敬意を表し「まえがき」といたします。

   平成元年3月

福島県教育センター所長  皆 川 郁 夫


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。