研究紀要第76号 「情報活用能力の育成に関する研究 第1年次」 -095/137page

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3.情報活用に関する基礎調査の実施

(1) 基礎調査の概要

 今後育成すべき要素の分析や最終的に達成させる到達目標の理論研究を進める中で,児童・生徒を取りまく情報の種類や情報の利用状況がどのようになっているかについて,実態調査を行うことが必要となった。

 そこで,児童・生徒たちが生活している環境と情報活用との関係をみるため,小学校・中学校・高等学校の児童・生徒を対象に,主として発達段階(学年別)及び地域別に情報の種類や傾向をアンケート調査によって調べることとした。

 具体的には,図一4のような用紙を小学校低 学年,小学校高学年,中学校,高等学校の各校 種ごとに作成して調査を依頼した。

 調査対象校は県内全域から抽出したが,調査 結果の信頼性や先に述べた地域による差異を調 べるために,各学年ごとの総対象数を250名程 度とし,市部に位置する学校と郡部に位置する 学校とを約半数ずつ依頼した。 実際の学校数は,小学校・中学校各8校,高等 学校7校の合計23校(回収総数3,128票)であ る。

 また,回答用紙の集計は当教育センターの大 型コンピュータで処理し,分析のための資料と した。

あなたは,次の項目に関する情報を主にどこ(だれ)から得ていますか。 各項目について,右の語群から選んで(3つ以内)番号で答えてください。
例:魚つり
  1. 天気予報
  2. 地震・火災
  3. 学習や進路
  4. 交通案内や道路状況
  5. テレビ・ラジオの番組
  6. 買物
  7. 行事(音楽会など)案内
  8. 趣味
  1. テレビ(ビデオ)
  2. ラジオ
  3. 新聞(広告)
  4. 電話
  5. 雑誌・参考書類
  6. 図書館
  7. 案内
  8. パソコン
  9. 店頭・窓口
  10. 兄弟姉妹
  11. 友人・知人
  12. 先生
  13. その他
図-4 質問用紙の例(部分)

(2)基礎調査の結果

 具体的には,下図に示すように各項目について「情報をどこから得ているか」を中心に,現在のいろいろな情報機器の利用状況を質問する形式で調査を行った。

 集計結果は図−5,図−6のように,校種別 (発達段階)と市部・郡部別(地域)の数値を 表にまとめた。ここでは,図−5から児童・生 徒たちが情報源をどこに求めているかについて 分析してみたい。

 児童・生徒の発達段階でみると,全体的に小学校低学年と高学年とを境にしで情報の求め方に違いのあることが分かる。

 このことについて天気予報や趣味の場合をみ ると,小学校低学年(3年以下)ではテレビや 親から情報を得ているが,小学校高学年(4年 以上)になると新聞・雑誌・電話などの利用が 多くなり,この傾向は中学校から高校へと進む につれて更にはっきりしている。

 これは,発達過程からみて当然のことである が,小学校4年生くらいからは情報内容の詳し さや専門的な内容の深まりが増し,必要な情報 が的確に得られる手段を,自ら選択できるよう になるためと思われる。

 また,天気予報ではテレビのように映像を利 用するものが圧倒的(90%以上)に多く,放送 の番組調べでは新聞のように詳細に反復できる

【4.ワープロ】

ア あなたは,ワープロを使ったことがありますか。

  • 1.ある。  2.ない。
「ある」と回答した人のみ
イ どの程度使っていますか。
  • 1.ほとんど使わない。
  • 2.時々使う。 
  • 3.いつも使う

ウ どんなことに活用していますか。(いくつ選んでもよい。)

  • 1.レポートや作文を書く。
  • 2.記録等を保存しておく。
  • 3.文通(ハガキ・手紙)に使う。
  • 4.国語辞典の代わりに使う。
  • 5.ノートや図をうつす。
  • 6.その他

エ そのワープロは,だれの持ち物(所有)ですか。

  • 1.自分
  • 2.家族
  • 3.友人
  • 4.学校(先生)
  • 5.店頭
  • 6.その他

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